「負の性欲」という言葉が生まれた唯一の目的は「男性被害の可視化」である。
無害な人が異性からキモいと暴言を吐かれることはしばしばある。これは男女でどっちにも存在するセクハラ、いじめだと思うかもしれない。だが「女性は常に弱者であり、男性は常に強者である」というかなり強力な刷り込みのせいで、被害者が男性の場合、キモい男性のせいで女性が不快な思いをした(=いじめられる方に原因がある)構図になりやすかった。
また、負の性欲に関して議論が脱線する要因として次のようなシチュエーションの混同がある。
②男性が女性に礼儀正しくアプローチして女性が礼儀正しくお断りする
③男性が女性に礼儀正しくアプローチして女性が暴力的に拒絶する
ここで①は男性側に一方的に問題があることや、②の男女両者に問題がないことは現状でも議論の余地がなく、負の性欲という新しい言葉でクローズアップしようとしたのは③である。(③が社会的に許されがちであるということ)
そしてまた冒頭で述べたような、無害な男性が女性から罪悪感なく一方的にキモいと暴言を吐かれることである。
女性が痴漢やセクハラの被害に遭うことは多いが、それらは解決すべき社会問題として(正常なモラル感を持つ)男女両方から認識されている。一方で男性の被害については、「もっと強くなれ」「もっとかっこよくスマートになれ」「あなたが最初に何かしたのでは?」と被害者が責められる傾向にある。
ハゲやデブのおっさんだって存在そのものを非難される謂れはない
これは、いままで可視化されてこなかった、訴えても無視されてきた、男性被害の #MeToo なのだ。
こういう、女性は常に被害者であるという先入観が減りますように。
私何回も言いました。先に被害にあったのは誰なのか忘れないでほしい。
あなたたちと私は同じ被害ではない、と。 https://t.co/dRKsCXbq0u— 石川優実@#KuToo署名中👞👠 (@ishikawa_yumi) November 19, 2019