2019-11-20

日韓国交正常化交渉

1950年代初めから日韓国交正常化交渉では、日本側が個人への支払いを提案したのに対し、韓国側政府にまとめて供与するよう求めたことが明らかになっている。

 当時の交渉記録によると、日本側が「国民感情をなだめるためには、個人ベースで支払うのがよいと思う」と主張しても、韓国側は「われわれの国内問題として措置する考えであり、人数や金額問題があるが、どうかして、その支払いはわれわれの政府の手でする」と譲らなかった。それを踏まえての計5億ドル支援だったのだ。

 もちろん、「三権分立」のもとで、行政府司法府判断に介入することは許されない。ただ、韓国最高裁日本企業損害賠償を命じたのであれば、韓国政府日本企業に代わり、元徴用工への賠償金を支払う措置をとる方法もある。

 日本政府関係者も「文政権は『三権分立の中で政府はどうしようもない』というが、政府には判決が国際約束請求権協定)に影響を及ぼさないために国内措置をとる責任がある」と指摘する。

 韓国政府は6月、日韓両国企業出資により元徴用工に慰謝料支給する案を発表したが、日本企業資金拠出する案を日本側が受け入れることはあり得ない。請求権協定違反は「韓国側も百も承知」(外務省幹部)のはずだが、ここでも大統領府意向が色濃く反映しているとされる。

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