もともととてつもなく自己肯定感の低い私は、周囲の手助けと少しの自助努力で少しずつ「まあ、生きててもいいかな」くらいの自己肯定感を得ることに成功した。
そうしたら不思議なことに男性とのご縁は増えた。しかし自分のことを大事にしてくれる人との縁が遠ざかっているように思えてならず、33歳にして恋愛でソウルジェムが汚れている実感が湧いて久しい。
いま私は定期的に体の関係を持っている人が2人いる。一人は元彼、一人は仕事関係の人。どちらもスタディな相手はいないらしく、不倫ではない、……と信じている。
二人とも不思議と「この人、多分結婚できるな」と思える人だ。一癖どころでなく癖がありつつ、その癖が私の感覚と合う。食事の趣味とかインテリアの趣味も似てる。つまり私経由でこの二人を引き合わせると中身がそっくりで気持ち悪い。笑 というのは置いておいて。
二人とも結婚前の大破局とか離婚とかで傷ついてきた経緯があって、本当は甘えたいんだけど立場上強がらなきゃいけない人たちだ。彼らは妙になんでも受け入れる私に好感を持って飛び込んできた。
そんな二人は私を受け入れる気がまるでないから、とてつもなく優しい。「仕事に疲れたらまたうちにおいで」とか「僕はあなたに心を開いているんだ」とか、平気な顔で言ってくる。二人とも私と付き合う気は一切ない。
言葉は多分本心から出たものだ。嫌いなところがあれば体の関係なんて持たないし持てない、そんな一癖ある人たち。だから、そこだけは信じられる。
でも彼らは一概に私を受け入れる気はない。私を気に入っているから甘い言葉を吐いて自己陶酔しながらも、都合よく私を搾取して何かあれば切り捨てられるポジションにいたい。そんな計算が彼らをそうさせるんだろう。
殊更それを責める気はない。私だって「いい人?なかなかできないね」と彼らに嘘をつきながら体の関係を重ね、美味しいご飯を奢ってもらっている。
でも、少し自己肯定感を高めてしまったことで、これが「自分で自分を大事にしていない行為だ」と分かるようになってしまった。叶わない恋愛を続けることほど愚かな自分の浪費はないんだけど、結局二人に甘えてしまう。
私があの時精神的に病まなければこんなことにならなかったのかしら。利益相反が出る関係性で出会わなければ付き合えたのかしら。そんなたらればを壮絶に吐いて、明日からまた仕事を頑張る。ソウルジェムが汚れてしまっていることは、私もまた彼らのように他の誰にも言えないのだ。