わたしの想いを。
拝啓、某くん
初めて大きな失敗をした君が「周りからの目線に押し潰されるようだった」と胸中の苦しみと一緒に溢したほんの少しの涙が、恋慕の始まりでした。
客もまばらに乗っていた中央線が、確かにあの時二人だけの世界になったような。何もかもから取り残されたような。
決して私だけのものではない、皆の王子様の”ほんもの“が、私だけに確かに垣間見えたあの瞬間。
きみに恋をしました。
きみに幸せになってもらいたいと願いました。
あの時のわたしは正直ちょっぴり嬉しかったんです。みんなの王子様が私だけに吐露してくれた自分自身の断片が。日頃の取り繕っている彼の比ではない崇高な輝きが。
九月にわたしが自分の不甲斐なさに耐えきれなくなって電話した時、
「忘れたのかあの約束を」
「覚えてるのは俺だけなのか」
むしろ覚えているのは、その言葉に縋って生きていたのは私だけだと思ってたのに。
初秋の星が綺麗だった夜空の下で、公園のベンチに座ってこみ上げる何かを噛み締めながら、心の中で唱えた。
やっぱりきみは王子様だ。
そのカリスマ性が、その気遣いの上手さが、年相応の単純さが、嘘のつけない正直さが、どうにも眩しすぎて、きらきらしすぎて。
好きな人には幸せになってもらいたい。勿論自分と付き合ってほしい気持ちはあるけど、到底自分なんかではと劣等感に苛まれるし、実際そうであるから。釣り合わないのを理解しているのにも関わらず無闇に関係を壊すなんてことはしたくない。
どうか、可愛くて素敵で、きみをきちんと幸せにしてあげられる女の子と素敵な生涯を歩んで、結婚式に呼んでほしい。ビシッと決めるのはきみには似合わないよと軽口を叩きながら、色々な人に祝福されて幸せになる君を見て、ああ好きだったなと泣きたい。きみが幸せで本当によかったと泣きたい。
話しながらこみ上げてきたものは、きっとチゲ鍋の辛さのせいだ。
というわけで、
きみの輝きはたくさんの人を幸せにすることができる
だから
きみも素敵な人と素敵な人生を歩んで
幸せになってください
四月からはお互い今みたいに会うこともなくなってしまって、もうきっと話をすることもだいぶ減るだろう
意気地なしで弱気で卑屈で、そのうえ実力もないから、きみに助けてもらうばかりの一年で、ほんとうに迷惑かけてばかりでごめんなさい きみに何もできてなくて足を引っ張ってばかりでほんとにごめんなさい
でも
人生のほんの一ページ分でも、わたしと過ごしてくれてありがとう
かけがえのない時間でした きみと2人で色んなことを話す時間が大好きで 愛おしくて 宝物でした
きみからもらった言葉も想いも全部わたしの中にたくさん取っておいてあるんだ
これからの人生たくさん笑ってたくさん泣いてたくさん失敗してたくさん成功して
自分の夢を掴んで
どうか 幸せになってください
結婚式には呼んでね えへ
わたしより
IMAKITA 無論わたしも、随分と幸せにしてもらっている 。 幸せになってください 。 どうか 幸せになってください 。
なんとなしに自分の書いた激痛文章を探してみたら、残ってました…… めちゃめちゃ恥ずかしいなこれ。ポエムすな。 季節もすっかり変わって10月ですが、 某くんと付き合ってそろ...