なかなかに恵まれた2018年秋アニメの中で自分に一番ヒットしたのがゴブリンスレイヤーだった
かいがいしい女神官ちゃんかわいいだけで視聴継続していたのだか、物語そのものがなかなかに趣深かった
この作品の中で主人公のゴブリンスレイヤーは作品世界の中での最強クラスキャラでもなく、何か特殊能力があるわけでなく、自分の能力を如何に雑魚であるゴブリンを効率よく殲滅するかだけに使うことに特化したキャラとして描写されている。
まあそうなった原因は幼少期の体験にあるという、過去から何十番と煎じられた話である。
(結果「心が壊れた」と作中で描写されている有名キャラはFateの主人公とか)
この作品の中で他と異なる色彩を放つのは、作品世界の中で存在が明示されているスーパーキャラが別にいるということである。世界の脅威はこの勇者によって解決されるのであるが、勇者は自分たちの街を常に守る存在ではない。
その中でゴブリンスレイヤーはこの自分たちの街を守る存在として描写される。
ゴブリンスレイヤーは凡庸な冒険者よりは強い存在であるが、別に特別強いというわけではない。本人もそれを自覚しているし、自分の限界を知っている。
その限界の中で自分の守れる範囲で自己犠牲をして人々の生活を守ろうとする。
ほぼ大抵の人は自分が地上の勇者でなく、なんでもないただの人だと自覚する。
その諦めの感覚は救いでもあるのだが、現状維持の麻薬でもある。
麻薬に溺れず、たとえ勇者でなくても街の戦士として必死になれば何か得られるのではないか。
そう思わせる内容であった。