2018-10-13

anond:20181013044059

 

冒頭だけしか読んでないけど、さら添削すっぞ。

 

原文だと、香り香り匂い、と嗅覚情報ばっかり先に立って、本来最初に飛び込んでくる音の情報が遅い。匂いばっかりだと変化もないので適度に情報の種類を混ぜ合わせた方が楽しく読める。

 

言葉意味のかかり方についても、ちょっと不注意だ。「食欲をそそる肉の香りが、ネギ油の香りの中にほんのり広がる」だと、食欲をそそるのは肉の香りだけになってしまう。そういうわけでもないだろう? 両方にかかるように、文を工夫するといい。

 

鮭と鶏肉と、動物性具材をふたつも入れたら味が濁るんじゃないかという疑問もあるが、そこはまあ、妥協しよう。どっちもマリネされてるから味が濃くなりすぎないかというのも、ぎりぎりここでは妥協してやる。自分で反芻してくれ。

 

よろしくないのは、一人称なのか三人称なのかが冒頭だとちっとも分からんところ。第二話と書いてあるので第一話でしっかり出た情報なのかもしれないが、転換とともにそういうのが変化することもあるので、出来れば早くに、人称がどっちなのか、一人称なら誰の一人称なのかを示しておきたい。しかも、さりげなく。「とってもいい匂い」は口語なので一人称であることを示しはするが、口語地の文書くような素人も多いから、もうちょっと念押ししておきたいところだ。

 

フライパン鶏肉接触面」って。「接触面」って。そんなの料理中に心に浮かべるか?

 

語尾がウ段の終止形ばっかりでリズムがない。注ぐ、入ってくる、塗り広げる、広がる、砕いていく、音を発てる、ご飯を加える。すっごい単調。意図がない限り、同じ語尾はせいぜい2回続けるくらいに抑えておけ。

 

細々指摘するのも大変なので冒頭数行だけいっそ改変してみる。

 

 

 

 よく熱したフライパンに適量のネギ油を入れると、弾けるような音といっしょに香ばしい匂いが広がった。

 鶏皮を使って油を全体に延ばすと、動物性の脂と溶け混じって、いっそういい匂いになる。パチパチという音まで美味しそうだ。いい感じだぞ。

 香りが立ったところで、いよいよ具材を炒め始めよう。まずは鶏肉、火が通ったら野菜も加える。リズミカルにじゃっじゃっ、と音が鳴るようにしゃもじでまぜていく。立ち上るいい香りを大きく吸い込んだら、「あー、絶対美味しいよこれ」と思わず声が出た。私史上、最高かも。フライパンを煽ると、具材と一緒にぱっと炎も宙に躍った。わっ、なんだか気分がアガってくる。

 

 

 

 いちおうプロだった俺が書くと、こんな感じ。

 だらだら料理手順の説明を続けても読者は面白くない。よほどのことがなければ、何を入れたのかこと細かに説明する必要はない。まとめて省略してしまっていい。具材に何が使われているのかは、この小説面白さに必要か?

 人物が、楽しそうに料理している様子を描く方が、まだしも読者も同調して楽しんでくれる。「調理」じゃなくて、それをしている「人」を書いてくれ。

 

 

 以上。今後の健闘を祈る。がんばれや。

記事への反応 -
  • (執筆途中の作品であり、今後内容を変更する可能性があります。) メイリン 熱したフライパンに、ネギ油。鮭のマリネ、鳥のもも肉。菜箸で砕いて、転がす。色と香りが美味しそう...

    • 書き出しからして「鼻腔に入ってくる」とかすごい素人くさい。格好良く表現しようとして、自分に馴染みのない語彙を選んでないか。そこは背伸びすべき場所じゃないから素直に書け...

      • ありがとうございます。 冒頭部分は難しいと思っていました。 今後修正する際の参考にさせていただきたいと思います。

        •   冒頭だけしか読んでないけど、さらに添削すっぞ。   原文だと、香り、香り、匂い、と嗅覚情報ばっかり先に立って、本来は最初に飛び込んでくる音の情報が遅い。匂いばっかりだ...

          • 熱したフライパンに糸のように細くネギ油を垂らす。とたん、音が弾け、香ばしい香りが鼻先をくすぐった。  さらに全体に油を広げよう。箸先で鶏皮をグイグイ押し、脂が油に溶けだ...

          • ありがとうございます。 本業の方に添削していただいて、文例まで書いていただけて恐縮です。 確かにそのように書いた方が、ずっと没入感があり、感覚が刺激されますね。 確かにこ...

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