俺は野球をみる親父が嫌いだった。
親父は寡黙で、常に不機嫌そうに見えるから感情の波がない人だった。
テレビに写ってるドラゴンズの選手に対して「バカヤロー!やめてしまえ!」「そんなミスをプロならしないだろ!」と怒鳴り散らして、ドラゴンズが勝つと「よし!よし!」と上機嫌になっていたが、落合監督になってからは「落合がする野球はつまらない」といい出して常に不機嫌だった。
そんな親父に対して俺は「自分はそんな動けないくせに」と思っていたものだ。
eスポーツが活発になり、TwitchやYoutubeLiveで毎日のように誰かのプレーをみる。
自分はレインボーシックスシージというゲームが特に気に入っており、そんなこんなして3年になる。(FPS自体はもっとやっている。12年ぐらいか。)
レインボーシックスシージは、日本選手の賞金受け取りが出来ないことで一時期話題になったゲームだが、ほぼ毎週のようにプロの試合が配信される。
変化が訪れたのはランクマッチである程度ゲームメイクができる程度にうまくなってきてからだった。
これは自戒だ。自戒なのでありのまま書くが、他人が下手に思えて仕方がない。
気がつけば、プロリーグでいい所で負けてる選手に「そこはそうじゃねーだろ!」とつぶやいているし、自分が先に死んで味方のプレーをみてるとき「馬鹿みたいな動きしやがって」と怒り除外投票を入れる。
当たり前だが、プロリーグの選手に勝てるほどの腕は持ってないし、生存時間が短いプレイヤーが生存時間が長いプレイヤーに文句を言えるはずもない。
今でも十分な厄介おじさんで範囲が狭いからレインボーシックスシージの民度を下げているだけに留まっているが、レインボーシックスシージはこういう人間が4~5割いるので、これがeスポーツが身近になり、発展していったら、その4~5割の厄介おじさんはもっと広い世界で厄介を起こすことになるんだろう。
あの日の親父になりつつある。いや、もうなっているのだろう。
なんだこいつこの下手くそ、ではなく、なんでこいつ下手くそなんだろうなぁとか考えてみるとそれはそれで楽しいぞ。 下手くそにも色んな下手くそが居て見てておもろい。 まあ自分も...
昭和のやきうおじさんみたいにようやく熱中できるものに出会えたんだよ