(正直に言えば「苦手」というのはかなりオブラートに包んだ言い方だ。普段からイヤマフを常用している自分からすれば、突発的な子供の絶叫は暴力や凶器に近い。)
だが、個人的には別にファミレスで子供が騒ぐのは一向に構わない。そもそもが「ファミリーレストラン」だし、仮に子供の声が不快なのであれば、そこに行かなければ良いだけだ。むしろ子連れの方々が、肩身の狭い思いをしなくて済むようなレストランや公共施設はもっと増えたほうが良いとさえ思う。この国での子育ては、はっきり言ってハードモードなのだから。
ただ、子供連れが入店できない空間もあって然るべきだとは思う。地球上の人類全てが子供に対して寛容という状況はありえないし、自分みたいに聴覚刺激がとことん苦手な人間だっている。
思えば自分が昔海外に住んでいた頃には、子連れが入店できない店なんて普通にあったし、子供がいる夫婦がそういう店に行く時には気軽にベビーシッターに預けることもできた。その代わり、街ゆく人は子供に対してとても寛容だった。怖そうなおじさんも、パンクなお兄さんでさえも。子供の声なんだから我慢しろ!という言説も聞いたことがなかった。
この国ではそれがない。全く。
なぜだろうか。個人的には、日本に蔓延する「子供と大人の棲み分けを一切許さない空気」が原因の一つに思える。棲み分けがなされてないからこそ、世のお母さん達は子連れで入れる店が少ないと感じる。
例えば、前述の「子連れが入店できない店」とは逆に「子連れウェルカム」であることを堂々と謳う店は、子供に不寛容な人に対して「ご入店・ご利用をご遠慮ください」と言うこともできる。
そういうことができない・なされていない中途半端な状況下、ネット上で子連れのお母さんと不寛容派の人間が殴り合っているのを見ると、なんとも悲しい気持ちになる。
日本では、いろんなバックグラウンドの人間を同じ空間に押し込めて「お互いに我慢を強要する」ことがとても多いように感じるが、大抵その場にいる全員が等しく不幸になっている。逆にお互いが不幸にならないよう、あえて不均質な空間・場はどんどん作った方がいいし、不均質さに対しては不寛容であるべきでない。
お安くない店行けばそういうのに遭遇しないので そうすればいいだけ。 稀に、客単価5,000-10,000円の店でオーナーのお子さんが飛び跳ねているという悲劇に見舞われる事もあるけど そう...