とりあえずある程度規模の大きい都道府県レベルの自治体という前提で書きますね。まず新人のときに研修で文書事務の流れみたいなのを習います。ご質問の公文書の書き方だけでなく、起案(役所内で意思決定に必要な稟議書)の立て方とか文書の回付の仕方とかですね。ただし、最近は起案文書の決裁が電子化されているところもあるので、ただ単に原理原則論として習うだけで、研修が終わると忘れてしまう人も多いと思います。
あとは、都道府県によっては「文書事務の手引き」みたいなのがあって、「こういうときはこういう書き方をする」というルールが示されています。ある程度規模が大きい部署だと文書係という担当部署があって、てにをはや文字の配字や条例・規則等に照らして妥当な内容かどうかをチェックします。ただし、そうやって細かくチェックされる文書の方が少数派で、小さい事業所なんかだと、結構ぐずぐずな書き方で表に出てしまう文書もあります。個人的には細かいてにをはとか、送り仮名とかどこを一文字出してどこを引っ込めるかとか細かい形式的なチェックをするのはいかにもお役所的でアホくさいと思っていますが、だからといって誤字脱字があったり、部署や個人の好みによって公文書の体裁が違ってしまうのもそれはそれで問題なので必要悪ではないでしょうか。
だから公文書の出来不出来は配属された部署やついた上司によってかなり個人差が出ます。余裕のある部署で上司が丁寧に見てくれるようであればそれなりのものが書けるようになるし、忙しくてあまり面倒みてもらえないとか、とりあえず去年の文書をコピーして日付とかだけ直せば用が足りる状況だと、人まねはできても自力でオリジナルの文書を作るときに苦労するでしょう。個人的には内容がきちんと相手に伝わるように書いてあればそれでいいじゃんとは思っていますが、あまりにも極端にいわゆる公文書の体裁をはずれると受け取った側に「本当に役所から来たの?」と疑われてしまうので、ある程度形にはめて書く必要はあるでしょうね。
ところでなんでこのことに疑問を持ったのですか?公務員を目指しているとか?
おー詳しい。完璧な回答ありがとう。
あと、役所って「我が国」って言う。「日本」とは決して言わない。あれも公用文なん?