ネットフリックスっていう課金制の映画視聴サイトがあるんだけど。
そこで視れるんだけど。
かなり面白かった。
お医者さんになってみると、「精神病」ってのを疾患として理解できてしまって、
私小説とか、メンヘラ的な小説への感慨みたいなのが一気にそがれてしまっていた。
文豪の神経症を見ても、「この時代は薬がなかったからねー」とか、「あ~これは典型的な貧困妄想ですねー」とか。
現代では、治るっていうか、超絶重い状態の精神病ってのが滅茶苦茶レアになってしまった。
で、そういうのをもう一度手に入れさせてくれたわ。
「本当に精神病なのか?」という疑いを持てるぐらい説得力があるんだよね話に。
ストーリー展開も神がかっていて。『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』的に2つの話が行ったり来たりして、最終的につながるっていう。
更に素晴らしいのが、登場人物たちの人間性やどうしようもなさが伝わってくる。
文学的な意味合いとして、「臨死体験と精神病を繋いだ」というのがうまいと思った。
現代では宗教的なオカルト的なものは一笑にふされちゃうんだけど。
実際に臨死体験を経て超絶能力得てるとかあるから、謎な部分とかは確かにあるんだよね。
ここを結び付けてきたのがうまい。
精神病を奇跡だの神秘だのでごまかさずに書いてたり、周りの人の空気感をごまかさずに書いているのに。
それなのに、奇跡を書けるってのがすごい。
完成度が異常に高い作品だった。