これ、詳しくは秘密なんだけど、東京某所に人生リセットできる場所がある。
そこで何をするかというと、ある夫婦役の赤ん坊(赤ちゃんプレイではない)になって1年を1ヶ月ぐらいの縮尺で生活していく。費用は教えられないが、かなり覚悟のいる金額が必要。ただそれを払う価値はあったと思う。
最初、プログラムに参加する前に、プログラムの全てのルールを覚えるテストがあってそのテストに合格しない参加できないので注意。といっても選択問題でそこまで難しくないので心配することはない。
プログラムの最初の一ヶ月は本当に何もできない。発話もしないルールになっている。食事から入浴、排泄の世話までしてもらう。1日の大半を寝て過ごす。ネットや外界との接触も一応禁じられて(接触すると効果が薄れるらしく)本当に自分がなくなりそうだった。他にも、部屋は自分が写り込まないように、反射するものが排除されたりとかの配慮が徹底的だった。自分じゃ何もできない状況に追い込まれる。だから甘えるしかない。けどそのうち慣れるとそれが当然になる。
そのあとは、ハイハイでの歩行と喃語を発語が解除される。色々なものが自分の世界として再認識させられる。ただ、喃語しか話せない苦痛はこの上なく、その時はしょっちゅう泣いてしまった。ただ、大声をあげて泣くのは想像した以上に気持ち良かった。
最後は、元の生活に戻るための、プログラムが用意されている。ジムに通ったり、友人と食事をしたりして復帰する。その時になって気づいたのはかなり自分は深い催眠状態であったこと。日々使われる言葉とか動作、一つ一つ意味があったと気づいた。
そんな感じで、人生リセットプログラムは赤ん坊を追体験するもの。時間も数ヶ月かかる上、費用もバカにならない。でも辞職ついでに参加して良かったと思う。正直リセットしたというよりは、新しく経験として蓄積されただけのような気もするが、持っていなかった何かを手に入れた気分になった。