2015-09-06

飲み屋品格

数年前、取引先の偉い人にいわゆるスナックを紹介してもらった。

スナックなるものに行くのは初めてだったのだがなんとなく静かに飲めて店の女の子ママとだらだら会話ができていいとこだなと思った。

それからは月に一回程度そのスナックに通うようになった。

通ってるうちに「一見さん(もしくはごくたまにしかこない客)」「常連」/「金を多く落とす客」「あまり金を落とさない客」で扱いの違いがあることがなんとなく分かってきた。

人間なのだからある程度接客態度に違いがでてもしょうがないなと思っていた。

いつからだろうか、多分気づかないうちに徐々に変わったのだろう。ある日いつもと同じように店で飲んでいたら気づいた。

綺麗で大人しい飲み方をしていた常連ほとんど見かけなくなった。

そこからは私が意識して観察していたせいもあるだろうが店の雰囲気がどんどん悪くなっていった。

ママ常連の某会社幹部たちにその場にいない客やスタッフの悪口を言ってゲラゲラと笑いあう。

常連の金は落とすが口汚いときには物を投げるような客がスタッフ罵詈雑言を浴びせながら灰皿を投げつける様をママと他の常連がニタニタと笑い眺める。

他にもあげればきりがないが会社経営者幹部、店の経営者がここまで下品に下種になれるのかと驚いた。

私は店のスタッフの一人が気に入っていて通っていたがもうここは以前のような落ち着いて飲める場所ではなく不快なだけの場所だと見切りをつけて通うのをやめた。

その後、偶然その店の常連(この人もかなりスナックに金を落としていた太客)だった人とバーで遭遇した。

ふと、最近スナックの様子はどうか聞いてみたらこんな返答だった。

「もう静かに飲んでいた常連はほぼ全員愛想が尽きてあの店には行かなくなってるよ。お金をたくさん落とすけど飲み方の汚い客しか残ってない」

そうだろうな、と思った。

今日もそのスナックは一部の客と人の悪口や下品ネタで話に花が咲いていることだろう。

もう私には関係ない場所だが時折あの店の光景を思い出すと気分が沈む。

つい先日、店のスタッフが数人一気に辞めたという話を聞いた。

お気に入りスタッフがいた客はもうあの店に行く義理もないので来ないでしょうね。

これからも下種な客を隔離する場所として経営してください。

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