この前の日曜日は参りましたよ。
ついにここも国際的観光スポットになったのかと感慨にふけってしまったでござる。
やはりのこの店の常連を自負する拙者としては、この海外からのお客さまを「お・も・て・な・し」しなくては。
同じロットのよしみとして、食券の購入をお手伝いする覚悟を決めていたが、拙者の覚悟は杞憂に終わった。
スマホを見ながら、食券の自販機をみごとに操作してみせたのだ。
この時点でヤバい!ヤバいですよ!と拙者の赤ランプがピカピカ点滅!
大豚Wを無事に購入した外国人の3人が拙者に軽く会釈をしてきた。
この会釈は柔道の試合開始の合図と受け取った。ついにバトル。国際バトル開始か。
拙者も大豚Wで応戦。ついに国際バトルのお膳立ては整った。
3人は、拙者にわからないことばで、ひそひそと話していた。
会話の内容が皆目見当がつかないので、このロットバトルへの不安がつのる。きょろきょろと当たりを見回し他の常連からの視線を感じた。
常連たちのまなざしは「がんばれ日本」という声援が感じられ、落ち着きに満ち溢れていた。
このオリンピックにも似た大舞台、拙者も落ち着かねば。修行が足りん!
外人さんはニンニク入れますか?の受け答えの困るのかと思い、ここは武士道の精神でフェアネスにコールの支援をせねば、常連が廃る。
ところが、隣の外国人さんは、「ニンニクいれますか?」ときかれて、
「ヴァーデュア・アーリオ・オーリオ・アマンターレアマンターレ」
とこたえていた。
「ヴァーデュア・アーリオ・オーリオ・アマンターレアマンターレ」て、何だよ。助手の人も聞き返すこともなく作業に戻っていった。
まじ国際化でござるよ。拙者のしらぬところで、お店がイタリア語対応していたでござる。
拙者、「お・も・て・な・し」するどころかうろたえてしまい、コールに失敗。ニンニク入れますか?に「はい」と、言ってしまった。
一生の不覚。一生の不覚でござる。
こんなハンデ戦。海外からのお客さまを「お・も・て・な・し」するには最低の舞台だ。
一心不乱にどんぶりと格闘していたが、大豚Wをたいらげた外国人の3人組みが先に「ゴチソウサマ」と店主に挨拶して出ていった。
拙者がギルティでござった。