ある日突然電話がかかってきて日銀の人間と会うことになりました。OB訪問ということで日本橋の喫茶店で待ち合わせました。
待ち合わせて出てきた日銀マンは竹中直人を遥かに凌ぐ頭の砂漠化で
「うへー、随分年季の入った人が出てきたな、、、。」と尻込みしたのを覚えています。
しかし、話を聞くとシッカリと若手でした。見た目と実際の年齢とのギャップが日銀の激務を物語っているのでしょう。
この日の日銀マンとのやり取りは人生でもワースト3に入るべき悲劇でした。
OB訪問ということで仕事の内容をもっと深めようと意気込んでいたのですが、いきなり「君は何がしたいの?」から来ました。
まあ、世間一般でいう日銀の任務をこたえて、その中で自分の特質からこのような業務に携わっていきたいと他社と同じように答えると以下のように日銀マンはのたまいました。
「マクロ経済の本は何冊読んだ。」(適当に教科書の本を挙げました)
「他にもマクロ読んでいるんだろ。」
「えっ、たった2冊!!」(本当は1冊も読んでおりません)
「じゃあ君はミクロの本を読み漁ったのね。」「ISーLM曲線についてちょっと説明してみてよ。」
日銀マンはこちらの発する言葉の一つ一つを全力で分析して言葉尻をたたいてきました。日銀考査を恐れる民間金融機関の心の痛みが辛辣に理解できました。
さらに追い討ちをかけて、
「君は本当に経済学部の人間か?」「何で君は慶應に行ったの?」
「大体なんで君はそんなゼミに入ったの?」
「うちには超優秀な人間しかいないのだから、採用する学生も超優秀じゃないと話にならないよ。」
もはや人間として狂っているとしか思えませんでした。僕にとっては革命的な出来事でしたよ。ハルマゲドンってゆーかハゲマルドンに襲われた気分。