ロキノン系(笑)とバカにされ、ダサい、曲が似通っている、歌が下手、メンヘラっぽい……。世間から色々言われているロキノン系。
フジファブリックの志村が死んで、Syrup16gが解散して、ミスチルが平和と愛だけを歌うようになって、BUMP OF CHICKENがみんなともだちだよとか言い始めてからだと思う。
ちょうどその頃22歳くらいで、自分と同年代くらいのバンドが世に出てきていた。そういう同年代バンドにカッコいいなとか素敵だなっていう“憧れ”を抱けなくなっていたのも原因かもしれない。
また震災があって、世の中のアーティストが「音楽で日本を救おう」って、そういう思想が表現する音楽の中に入っている気がして、こういうの違うなと思っていて。
なんなら「音楽」っていうものは自分のコンプレックスとか初期衝動とかをメロディに乗せてリスナーに届けたいっていう、そんな単純なもので良かったと考えていた。
また、ファッションの世界でも今は「ノームコア」なんて言われてるけど、音楽もそれだった。
派手なもの、人とは違うもの、共通の趣味で盛り上がるあの感覚。そんなものがカッコいいと思っていたし、ある一定の人にはモテると思っていた。
ちなみに「ノームコア」の意味は色々諸説があるけれど、“3周くらい回った”っていう意味だと解釈している。
ロキノン系大好き! みたいな人はいなくて、カラオケで盛り上がる“懐メロ”をたくさん覚えた。
段々とその方が居心地が良いことに気付き、CDもライブもここ4年間全く音沙汰なし。youtubeあるしね。
サブカルって括りにすると嫌な気持ちを抱く方がいるかもしれないけど、10数年自分の中にあった“サブカル”がカッコいいものではなくダサいものに変化してしまったんだ。
好きな音楽ってなんですか? とか聞かれると、決まって「僕、音楽とか全然聞かないんですよ」って言ってしまう。
驚いて、とりあえずチケットを申し込んだら運良くとれて、ライブに行く事になった。
ただそれで僕の中の音楽に対する気持ちがどのように動くかは分からない。
懐かしいな、で片付いてしまえばそれまでだと思う。
ただ、あの時の音楽に熱中していた素直な気持ちが僕の中でも“再発”してくれればとは少し思っている。