2014-02-14

名護市長選についてのご都合主義的言説

http://www.youtube.com/watch?v=N8UC1RjSvMg

【三荻祥】報道されない名護市長選の実態[桜H26/2/12]

動画を見た。見る前から大体、内容がどんなものか予想がついていたのだけれど、まあ「やっぱり」って感じ。要約すると:

1)名護市長選は、辺野古移設問題が「反日メディア」やサヨク操作によって、戦争賛成か反対かにすり替えられた。

2)住民の七割は辺野古移設に賛成だと思われるのに、賛成派は反対派から嫌がらせ等に苦しめられている。

3)マスメディアでは、辺野古移設反対という住民意思が反映されたと報道しているが、それは正しくない。

といったもの

問題点を列挙しておく。

1)「反日メディア」とか「サヨク」って言葉を使ってそこで思考停止するのはやめよう。そうやってレッテル貼りをして対話の機会を逃しているのは自分たちじゃないのか。

2)今回の選挙戦辺野古移設賛成/反対を問うものであったことは火を見るよりも明らかな事実だ。三荻祥氏の話には、それに対する客観的反論根拠がない。住民全員から話を聞くくらいのルポ精神を持たずして安易沖縄代表するな、と言いたい。

3)もし「七割が賛成」であるならば、賛成派が反対派から村八分」にされるわけがない。それは力学的に間違っているでしょう。そこを説得的に述べなければならない。

4)七割を超える投票率をほこった名護市長選において「選挙民意がただしく反映されていない」と考えるならば、五割以下の投票率であった都知事選についてはどう考えるのか。田母神票もまたデマゴーグ票ではないのか?(違うと言うでしょうが名護市長選を説明するときと同じ姿勢をもって接してください。あるいはその二つを説明する原理齟齬がないようにしてください。無理でしょうけど)

 上の諸論点が解決されない限り、私はご都合主義だと思うし、あるいはダブルスタンダードを持った言説である、と思っている。「動画を見る前から大体の内容の予想がついてて、それを裏切らなかった」って最初に言ったけど、それってご都合主義的だからなんだよね。ようは、沖縄という現実を見ずに、国防保守思想という空想と戯れているわけ私たちは正しく思考するためには、現実主義的思考をつらぬかなければならない。自分たちにとって都合の悪い事実から目を背けて、逆に自分たちにとって都合の良い事実ばかりを強調するご都合主義的思考には注意をしなければならない。「現実を見る」ということは自分の思考が不意に裏切られる経験、つまり思いもよらなかったような新たな発見をするという経験ではなかろうか。そうした精神のないところには、私は頑迷原理主義空想家の姿を見出さずにはいられないのである

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