発生直後は落ち込んでいたが、最近はツイッター上でも誰より明るく振舞っていた。
数日前、父親の知り合いで助かった人から津波当時の様子を聞いたという話をスカイプで聞いた。
時も過ぎているし状況から考えても、もうおそらく難しいだろうと。
「これだけたくさんの人が亡くなったんだから仕方ないよね!覚悟はしてたし!」
その場にいた皆が同じ気持ちだったと思う。
彼女は「ごめん、変な空気にしちゃった!!元気出さなきゃね!!」と明るく言い、黙ってしまった皆を励まそうとした。
地震後しばらく避難所で生活し、他の家族の安否もわからない状態になっていた彼女。
電話攻撃を受けたり、宗教勧誘につきまとわれたり、被災後にも人災を受けた彼女。
どれだけ泣いたんだろう。どれだけ不安な時間を過ごしたんだろう。
私は涙声をおさえながら、慌ててはてブの人気エントリーにあった癒し動物写真URLをスカイプチャット欄に貼った。
情けない事に他に何も思いつかなかった。
「わー!かわいい~癒される~」
4.10追記
はてブコメント見てハッとしました。そうですね、一番とか相対で考えるのは良くないですね。
そういう考え方をして無理をするとますます辛くなってしまいますよね。
後日談なのですが、「今は何もしたくない」と彼女が泣いていました。
彼女は1人暮らしをしていてそちらの被害は少なかったので生活場所は確保されているのですが、「だからこれぐらいは出来るだろう」と、周囲の人間から色んな頼まれごとをされるそうです。
でも、そんなに色々な事を出来る程、今の彼女に余裕はないんです。
出来ないと断ると「役立たず」と言われるそうです。ひどく勝手な話です。でも周りの人々もおそらく手一杯で心の余裕もないのでしょう。
皆が大変で自分はまだマシな方なのに何も出来ない、と自分の事を責めていました。
私は「今は自分の心を守る事だけを考えるように。無理をして動けなくなっては意味がない。出来ない自分も自分だから愛してあげて。動けるようになってから動けばいい」というような事を彼女に伝えました。
私が彼女に出来る事はスカイプで話を聞いたり、URLをはったり、言葉をかけてあげる事くらいです。それ以上彼女に何もしてあげられない。彼女に代わってあげる事も出来ない。
でも今は私自身もそれでいいと思う事にします。彼女や被災した人達にしてあげられる事を考え続けて、出来る事を見つけ次第、行動するよう心がけようと思っています。
ひとつ、これを読んだ人にも考えてもらえればと思っている事があります。
震災関連に関わらず、自分より出来ない、弱い、考えが違う人がいた時に、相手を責めないようにしてあげてほしいです。
相手の方が自分より辛くなさそうだから、だからといって相手が余裕があるとは限らない。自分ができるから相手ができるとは限らない。相手は相手の理由があって自分とは違う考え方をしている。
目の前に見えているその人と、実際のその人にはギャップがあるかもしれない。とても沢山の何かを抱えているかもしれない。無理をして明るく元気にふるまっているかもしれない。
自分が言った一言が相手にとっては致命傷かもしれないという事を忘れないで誰かと接していれば、「役立たず」なんて言葉は出て来ないと思うんです。
どうか、優しさを。