2022-09-06

経験者がプログラマーになりたいと思った時に読む記事

若手から中堅、シニアに至るまでみんな「プログラマーになりたい」と言っているのだが

現実問題としてそんなに簡単になれるものではない、というのを知っておいて欲しい

体系的な教育法が確立されていない

算数国語は長い歴史の中で様々な試行錯誤が行われ、どのように教えれば大半の人が知識獲得できるかという方法論が確立されてきている

もちろんまだまだ改善余地はあるが「こういう教え方が良い」というのがちゃんとある

例えば国語音読大事、とかだ

ところがプログラミングに関してはまだまだ歴史が浅く、どのように教育すればプログラマーになれるかが分かっていない

幼少期からC言語を教えるのか、Scratchでいいのか、Pythonがいいのか、何も分かっていない

今のプログラマー達は生存者バイアスしかないので体験談全然アテにならない

何かしらそれっぽい理論が発表されてたりもするがエビデンスに欠けるモノが多くてまだまだ研究中という感じだ

そんな感じなので「実際に書いてみるのがいい」「業務で使いながら覚える」「写経するのが良い」などなどいろんな方法論が乱立している

あなたプログラミング勉強し始めると「教え方が良くない」「本が役に立たない」となることを覚悟してほしいし

勉強法をトライアンドエラーで繰り返していくことになるので技能獲得には相当な時間がかかる

前提知識無限必要

PythonでもJavaScriptでもメモリアロケーションのような計算機知識必要とされる

パフォーマンスチューニングときだけでしょ?」

みたいに言われることも多いが実際にはそんなことはなく、ちょっとしたバグを引いたときにでもその手の知識必要になる

もちろん昔に比べれば非常に楽になったが全くゼロでいい訳では無い

同様にクラウドリソースを使うときTCP/IPを全く知らなくて良いか、と言われるとそうでもない

GraphQL使うときHTTP知識が全くいらないわけではないように

プログラミングでは下手するとWiFiLTE/5Gの知識まで必要とされる

これは例えば建築関係においても同様で、家を建てる人にはコンクリートの基礎知識必要だったり木材に関する基礎知識必要だったりするのだが

歴史が古い分野では教育法が確立されているので建築学科なりに行けばキッチリ教えてくれる

同様に情報系の学部に行けば教えてくれるが、大学による差がかなり大きいし、体系化されているわけではない

Word, Excelの使い方を中心に教えるような大学もあれば情報理論から教えるような大学もあるし

それのどちらが良いかは誰も分かっていない

オンラインビデオで有名大学の授業を見ることもできるが、質問はできないので分からないところがあれば終わりだ

なので大学に行ったとしてもいろんな授業を受けてトライアンドエラーで長い時間をかけて技能獲得する必要がある

資格研修が役に立たない

Python検定1級」みたいなのが乱立しているがはっきり言って役に立たない

しかも「Python検定1級取得のための集中研修」みたいなのもあって地獄みがある

問題を解くための知識だけを得たところで前述した前提知識がないと実務で役に立たない

プログラマーを雇う側はその手のことをよく知っているので、こういった資格は全く考慮に入れていない

TOEIC英検のように「実務ではあんまり役に立たないんだけどな」と思われてる資格であっても社会的コンセンサスが取れていればそれなりに役に立つが

プログラミングに関してはそういった資格がない状態であるIPAはそれなりに信頼されているが、取って無いから落とすようなことはない)

この英語における「TOEICがない」状態で困るのは効果測定である

プログラミング勉強しても自分が成長しているのかどうかを客観的に知る方法が無いので独学で学んでも役に立つかどうか分からない

オープンソースに携わったり業務経験などを経て長い時間をかけて「プログラミングができるようになってきた」となるので1,2年でさっさとプログラマーになることはできない

時間がかかる

結論としてはプログラマーになるにはまだまだ時間がかかる

一番の近道は旧帝大の院に入学して2年間キッチリ勉強すればそれなりのプログラマーになれる

もちろんスタートラインなのでそこから業務経験を身につける必要がある

なので旧帝大の院に入れないような人はプログラマーとしての前提知識を得るための前提知識そもそも足りていない

独学でやるなら近道は一切無いので5年ぐらいは覚悟した方が良いと思う

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