2021-02-20

ヤンジャン本宮ひろ志漫画が凄い

はてなー諸氏にとってはヤングジャンプ連載漫画なんてなんてほとんど知らないという人か、アニメ化した「キングダム」や「ゴールデンカムイ」、「かぐや様は告らせたい」ぐらいは知ってるという人がほとんどだと思うが、実は未だに本宮ひろ志が連載しているという事実をご存じだろうか。

ヤンジャン本宮ひろ志と言えば「サラリーマン金太郎」が有名だが、現在連載している「僕、いますよ。」は平たく言えば暴走族じゃない公務員サラリーマン金太郎みたいな作品である

主人公架空の戸川市という自治体で窓際公務員をしていたが、いろいろあって戸川市を自然エネルギー独立採算できる自治体にしようとするみたいなお話で、主人公嫌がらせをする首都電力(まあ東電だよね)とか、主人公妨害する嫌な市長とか、孫正義っぽい人とかが出てくる、まあどこにでも良くある本宮ひろ志漫画だ。ちなみに今週(2/18発売号)では江戸時代と言っても通じそうな家屋でわらじを編んでいる老女や、家を訪問してきた主人公に酒を進めて断れれるといきなり猟銃を向ける熊みたいな男から、滞納している市税を主人公徴収してくるという令和の漫画とは思えない展開なのだが、本題はここではない。

おそらく、この漫画自然エネルギーテーマにしてるはずなのに専門家のチェックが全く入っていないという点がなかなかヤバイのだ。

先週の話で戸川市に風力発電風車が立ち始めたという描写があり、今週の冒頭で風力発電が稼働し始めたという描写があるのだが、そこには「風力発電が3割ほど稼働し、約7千万kWの送電を開始した」と説明されているのだ。

いや、7000万kWって…原発比較すると東電が持つ原発柏崎刈羽の総出力が約820万kWだから、これだけで日本エネルギー問題の大半は解決しそうな勢いだ。ちなみに、実際の風力発電風車何台分になるかというと、7000万kWが定格発電出力だとして計算すると約4万基の風車が、3割稼働なので定格出力が2億1000万kWだとすると約12万基の風車架空の戸川市という自治体に建てた計算になる。いや、首都電力も日本国も今すぐ戸川市に土下座して電力を融通してもらう&ノウハウを教えてもらった方が良いと思うし、私が担当者なら間違いなくそうすると思う。

しかし、そうは問屋がおろさない。何せこのとんでもない発電量は「戸川市の5千世帯送電されている」という記載があるため、原発を軽く凌駕するとんでもない発電量を風力発電で賄っているにも関わらず、余剰電力が全くないというとんでもない事態になっているのだ。単純に7000万kWを5千世帯で割ると1世帯当たりの消費電力は1.4万kWとなる。戸川市民1世帯でタワーマンションみたいな家に住んでるのだろうか。それとも、あの囲炉裏がある家もとんでもない消費電力をしている何かがあるのだろうか。

更に戸川市の電力需給に関する描写は続き、どうもこの戸川市全体の消費電力を賄うにはこの超出力の風力発電だけでは足りず、1億6千300万kWの発電が必要だというのだ!

…あのスミマセン、ちょっとデータが古くて申し訳ないんですが、2018年日本全体で消費電力が一番大きかった日に消費した電力が1億5千600万kWなんですが、戸川市はマジでこの莫大な消費電力で何をしてるんですかね…。というか、首都電力はこんな大口需要家がある自治体代表者に対して、よくあん塩対応できたなと思いますね。

こんなことになってしまった原因は発電出力とかに使われるkW(仕事)と消費電力量として使われるkWh(仕事量)の単位の違いが分かっていないことだと思うのだが、物理学を学んでる普通高校生でも分かりそうなミスを、誰も指摘せず数週間も経っている時点で、この漫画に専門的な監修者がほとんどついていないと思ったわけだ。

ということで、賢明はてなー諸氏にはヤンジャンでは本宮ひろ志漫画よりも、2/19に新刊が発売になった「スナックバス江」を是非読んでいただきたいと思います

風力電力の発電出力の出典

https://www.sbenergy.jp/study/illust/wind/

日本の消費電力についての出典

https://www.fepc.or.jp/enterprise/jigyou/japan/

  • 国が燃えるで思ったけどあの作者の漫画の登場人物は性善説だったり大和魂だったり立派過ぎる人ばかりで日本語喋ってるけど日本人に見えないわ

  • 全世帯でビットコインのマイニングやってるプラントなんやろ

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