この前までは、GoToキャンペーンは別にやればいいと考えていた。なぜならば、感染者数と経済を両端に測る天秤をイメージして、今までは感染者数側に振れていたのを釣り合わせるのがGoToキャンペーンで、経済を回すために多少の犠牲はやむを得ない、もしくは未来永劫コロナが収束することはありえないのだから現在の自粛をあと1年も2年も続けていたら経済、特に観光業飲食業その他諸々の産業が退廃する、退廃すれば日本の一大輸出産業となった観光が失われてV字回復も難しくなると考えていたからだ。
また、補償についてもスピード最優先であった10万円でさえまだ届いていない人がいるのに、特定の業種に選別して補償することにどれだけの時間と労力がかかるのか未知数である以上、安易に自粛と補償がセットだと謳う偽善者に納得がいかなかったのもある。
だがその見方は間違っていた。ブラジルやスウェーデン、アメリカの例を見て、政府は今回のGoToキャンペーンで経済の方に重石を置いて、釣り合わせようとしていること自体が不可能であると気づいたのだ。具体的には、①感染者数の方に重石を置く、②経済の方に重石を置くと「勝手に感染者数の方に重石が出現する」、の2択しかないので、経済に天秤を振って釣り合わせることが不可能ということだ。
①については今まで通りの自粛生活がその例と言える。これは問題ない。問題は②だ。GoToキャンペーンのように、経済を復興させようとすると確かに経済の方に重石が置かれるので釣り合うような挙動をする。しかし、その挙動に従って感染者数が増加すると国民は自粛を勝手に強めるようになる(もちろん日本特有の挙動かもしれないが)。だから、政府というプレイヤーの意図とは関係なく、感染者側に勝手に重石が出現し、結果的に釣り合うことがない、そういうことだ。
したがって、この問題はリアルトロッコ問題のように見せかけて実際は最初から分岐点のレバーは固定されている。犠牲になるのは観光業飲食業その他諸々の産業の人々である。つまり、コロナ後に不適切な業界の方々には申し訳ないが滅びてもらう以外道はない。日本のGDPは間違いなく相対的に衰退するだろう。だが仕方ない。それが運命づけられた神による決定なのだから。
(余談)
GoToキャンペーンの批判に対して、今ではないという批判がある。じゃあ具体的にいつならいいのか?仮に今この瞬間にワクチンの技術と量産技術がどーんと現れて、1日10万人単位で年中無休でワクチンを打ち続けたとする。それでも日本人の過半数が打ち終わるのに1年半以上はかかる。ましてや、一回だけの摂取とは限らないし毎年打つようなものかもしれない。で、いきなり現れる前提は当たり前だがあり得ないので、今であるというタイミングは少なく見積もっても2年半から3年だろう。その時には滅んでいる。だから、そのような偽善的な批判をするのではなく、滅びる運命にあるから滅べというべきなのだ。
また、大阪府知事が地域レベルで、そして順を追って全国的にという発言をしたが、これも懐疑的である。なぜならば、日本の人口の1/3は関東圏に住んでいて、京都や九州など、外国人観光客によるインバウンド消費が観光業の主力顧客となっていた。だから地方限定でやったところで産業が経済的恩恵を受けるパイはごくわずかであるし、やはり感染拡大を恐れて全国レベルの拡大も行われるはずがない。であるから、やはりその類の発言は偽善的で、滅びる運命にあるから滅べというべきなのだ。
少なくとも外国の方が減って過ごしやすい。 観光客来るのはいいけど、電車でスーツケース邪魔なだけ。うるさいし。こちらには何のメリットもない。 インバウンド業者はさんざん一般...
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