「この世界の片隅に」について。まだ見てねえけど、いい映画なんだろうなーというのは何となく感じる。
ただ、それをめぐってこういう言論が飛び交うのにはつくづくウンザリするなあ…。
http://togetter.com/li/1048335
ここにはどうも「反戦」という概念が戦時中には「なかった」とか思い込んでる人が一定数いるようで、それこそ鳥肌立つ。それじゃ憲兵さんや特高は何を取り締まってたんだよ。大正から昭和初期に言論を取り締まられてた人たちが何を唱えていたか、当時の雑誌を少しでも見てみればわかることなんだが。図書館に行けば復刻でもなんでも見られる時代だよ。見て確かめたのかよ?
何より、大昔に死んだうちのひいじーちゃんは、右翼の大物ともつきあいのあったそれなりの医者だったそうだが、戦時中酔っぱらって「こんな阿呆な戦争を誰が始めたんじゃ!負けるに決まっとろうが」とか叫んで警察のお世話になったことが何度かあったそうだ。ばーちゃんは子供のころひいばーちゃんから「お父さんはちょっとお仕事で遠くに行っていてねえ」とか言われて、「お医者さんも遠くに仕事に行くんだ」と素直に信じていたらしいが、戦後になって「実は」と笑い話に聞かされたんだと話してくれた。そういう話は別に普通にあるんだよ。それこそ「普通」に。ばーちゃんは、日本は神国だから戦争に負けるわけなんてないって信じてた普通の軍国少女だったらしいけど、そんなばーちゃんの日常も、そしてひいじーちゃんの「警察のお世話」も、同じように戦時下の「普通」の一コマだったわけで、なんでそれが無かったことになるのさ。
だからさあ。なんつーか「反戦イデオロギーうぜえ。コノセカ万歳」って唱えるのはいいけどさ(個人的には名作(かもしれない)映画をそんな目線で賞めたくないけどそれは人の勝手だからまあいいけどさ)、悪いけどそれが「イデオロギーうぜえ。アート万歳」って意味で言ってるつもりなら、その「反イデオロギー」主張だって十分に偏ったイデオロギーであり、すでにあなたの頭の中で歴史のねつ造が始まってるってことは知っておいて欲しいね。少なくとも、うちのひいじーちゃんのような人の存在をなかったように得意げに話されると、ちょっとムカッとくるわ。
だいたい、宗教とかマルチにしても、ふだん「宗教/マルチなんて」って言ってる連中をはめるのが一番チョロいのなんて常識だよ。右翼でも中道でもいいけど、自分のもってるその感覚が、左翼と同じく一つの「イデオロギー」であることを十分自覚した上で、左翼を批判するなら批判してほしいやね。それができない人は、ほんと、その手の人間の手にかかればチョロく騙されるんだから。自分はイデオロギーから自由だ、とか思ってる時点ですでにあんたはイデオロギーに染まってるんだから。
あ、言っとくけどオレは左翼だからね。でも、あんたたちは(特に中道を自認する皆さんは)、イデオロギーに関わらず、その意見が正しいか正しくないかを見極めることができるんだよな? オレが左翼であるか否かに関わらず、オレの意見自体が正しいかどうかを冷静に判断してくれるだろう? それが事実であることを心から期待しているよ。
まさかとは思いますが、この「ひいじいちゃん」とは、あなたの想像上の存在に過ぎないのではないでしょうか。
さっそく「自分の信じたくないことはなかったと思い込みたい人」が現れてて草生える
↑ この人チョロそうw 増田に書いている事を鵜呑みにするバカ
まあ信じたくても信じたくなくても、ネットに書いてある事は話半分で聞いとけ。
>それじゃ憲兵さんや特高は何を取り締まってたんだよ。 すまん、映画のワンシーンを思い出してくすっときてしまった。本当にすまん…… 君もあのシーンで笑ってくれることを祈り...
左を向くのに便利な存在だけが「あったこと」になるのさ
id:Yoshitada 太平洋戦争は、起こった事実を淡々と列挙してくだけで、当時の戦争指導部の無能さと愚劣さが露呈して「押しつけがましい反戦思想」になってしまうから、大変だよね(棒 h...
観てもないのに、しゃしゃり出て来ないで いっちょ噛みマン
>まだ見てねえけど、いい映画なんだろうなーというのは何となく感じる。 ↑ つーか、最低限まず観てから言えよ!(笑