私「うちの会社の先輩のAさんね、弓道のなんかの大会で入賞したらしいんだ。4年くらい前から始めて、それで今そこまで極めたんだから凄いよね。仕事も出来るし、それで趣味の方もそこまで上達できちゃうんだから、流石だよね。私は何をやっても中途半端だから羨ましいよ」
知人「それって羨ましい話? むしろやるせない話じゃないの?」
私「え? どこが?」
知人「女が趣味を始めたり、サークルに入ったりするのって、出会いのためじゃないの? それで4年もやってて、結局成果無くて、趣味だけが無駄に上達しちゃったってことでしょ? その先輩が射止めるべきは的じゃなくて男の心だったんだよ」
私「いやいや、確かにAさんも『付き合いを広げたくて始めた、いい出会いがあるといいな』とか言ってたけど、続けてるうちにすごい嵌まったみたいよ。ていうか元々興味有ったんでしょ。でなきゃわざわざ弓道なんてやろうと思わないよ。もともと多趣味な人だしね」
知人「プロになれるわけでもないのに、女が趣味を極めてどうするんだよ。そんな趣味にのめり込んでる暇があったら婚活始めとかないとやぱいんじゃないの、年齢的にも」
私「いや、Aさんはただ自分が好きでやりたいからやってるわけで……それに仕事だってちゃんとやってるんだし。それに、出会いだってこれからあるかもしれないでしょ。入賞までして、業界でも有名人になっただろうし」
知人「趣味で始めて賞まで取っちゃう女なんて、男からは余計敬遠されるに決まってるじゃん。まして仕事も出来るなんて言ったら、尚更だよ。女がすべき努力はそういうことじゃないよ」
私「なんで? 私が男だったらAさんみたいな人は喜んで奥さんにしたいけどな。仕事も趣味もそれだけ出来る人なら、主婦業だって完璧でしょ。実際家事もできるっぽいし」
知人「趣味なんて嵌まれば嵌まるほど金も時間も食うし、その時点で旦那に負担かけるんだよ。いくら家事や育児と両立します、って言ってもさ。そんな暇があったらパートでもしろってことだよ、いや、家事育児だって真面目にやろうと思えばやることはいくらだってあるはずだよ。趣味に使うエネルギーがあればそっちに集中するべきだよ」
私「女が趣味にのめり込んじゃいけないの? 自分は一緒になるなら趣味の合う女がいい、って言ってるくせに。『これが理解できないバカな女はダメだね!』って」
知人「まあ、自分に話題を合わせて付き合ってくれるなら勿論いいんだけどね。下手に真面目に勉強し出しちゃって、俺以上にマニアっぽくなっちゃったら引くよね。それで食うわけじゃないんだから、他に努力すべきことややるべきことは優先しないと」
私「いや、自分だって、別にそれで仕事するわけじゃないのに、ずいぶん趣味に注ぎ込んでるよね?」
知人「男と女とは違うよ。さっきも言ったけど、女が趣味やら仕事やらに入れ込んでるうちに年だけ食っちゃったら悲惨だからね。そういや君だって、最近、英語の勉強始めたそうだけど、それで外人男をゲットするつもりなの? 留学でもする気? でなきゃ今更意味あるの?」
私「いや、これは仕事で必要になってきたから。英語は実用でしょ、将来のこと考えたら、使えるに越したことないっていうか、むしろ必須じゃない! Aさんなんか中国語も出来るしね。結婚して家庭に入っても、旅行にだって使えるし、映画も洋楽も訳無しで意味分かれば楽しいだろうし、単純に世界広がるし……」
知人「くだらねー。女のキャリアアップとか自己実現とか、今更そういう時代じゃないよ。本気で将来を考えて幸せになりたいなら、他にやるべきことはあると思うよ。とりあえず、そのAさんは反面教師にした方が良いよ。だいいち、君はAさんほど仕事も出来るわけじゃないんだろ? 下手に真似したら将来死ぬほど後悔すると思うよ」
私「他にやるべきこと……ね……たとえば?」
知人「それが分かってる、本当に出来る女はとっくにいい男をつかまえて、幸せな結婚生活送ってるよ」
私「……」
そんな2chか増田から飛び出してきたような男とつるむのやめろww
マンガの登場人物みたいな知人やな。
お芝居にしてほしい。新喜劇とかでも良さそう。