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2024-08-04

anond:20240804144556

ご指摘の通りです。遺伝子だけでなく、エピジェネティクス神経可塑性が脳機能や行動に大きな影響を与えることが科学的に示されています

ニューロエピジェネティクス研究により、環境因子、ストレス学習、薬物への曝露などが神経系DNA構造制御に影響を与えることがわかっています[1]。特に記憶形成においては、ニューロンの活動遺伝子発現を調節し、これがエピジェネティッククロマチンの変化を引き起こすことで長期記憶形成寄与しています[1]。

さらに、ヒストンアセチル化などのエピジェネティックな変化が学習記憶重要役割果たしていることも明らかになっています。例えば、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害によってシナプス数が増加し、記憶形成が促進されるという研究結果があります[1]。

これらの知見は、遺伝子だけでなく、環境経験、そして個人努力によって脳の状態機能を変えられる可能性を示しています。つまり、生まれつきの遺伝子によってすべてが決定されているわけではなく、後天的な要因によって変化する余地が大きいのです。

この可塑性の概念理解することは非常に重要です。なぜなら、これは個人の潜在能力や成長の可能性を認識することにつながるからです。遺伝決定論優生学的な考え方は、この科学的な事実無視しており、危険偏見差別を生み出す可能性があります

したがって、脳の可塑性や環境の影響を理解し、個人努力経験価値認識することが、より公平で包括的社会の実現につながるのです。

Citations:

[1] https://www.ptglab.co.jp/news/blog/epigenetic-implications-in-brain-functions-neuroepigenetics/

[2] https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/41/6/41_411/_pdf/-char/ja

[3] https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2012/122022/201208019A/201208019A0003.pdf

[4] https://www.jst.go.jp/presto/epigenetics/theme01.html

[5] https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-23650215/23650215seika.pdf

 
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