はてなキーワード: 新庚申塚とは
樋口毅宏の小説『さらば雑司ヶ谷』は、東京都豊島区の雑司ヶ谷を舞台にした小説。ゲリラ豪雨、幼なじみとの恋、やたら強い中国人との愛憎入り交じる関係、オザケンとタモリなどがごちゃごちゃになって、一気に読めてしまう楽しい(←人による)話だった。主人公の祖母は大きな宗教の教祖なんだけど、続編の『雑司ヶ谷R.I.P.』では教祖だった祖母が亡くなり、後を継ぐことになった主人公に大きな困難が降りかかるという話だった。
主人公が継ぐことになる宗教は、雑司ヶ谷に本拠地がある「泰幸会」。都電の庚申塚駅(新庚申塚だったかも…)の近くに「泰幸会スーパーアリーナ」という大きな宗教施設を持っているという設定。ちなみに庚申塚駅というのは「おばちゃんの原宿」で有名な巣鴨地蔵通りの終点にある駅。ここを読んだとき、なるほど!と思った。雑司ヶ谷から庚申塚は都電で行けるということだけではなく、巣鴨のまわりには大きめな宗教施設がやたらとたくさんあるからだ。
巣鴨駅の近くには創価学会の東京戸田記念講堂、三田線の隣駅である千石の閑静な住宅街にはパルテノン神殿のような天心聖教の本部聖堂、巣鴨と大塚の間くらいには真如苑の大塚支部、西巣鴨というか西ヶ原四丁目には天理教の大きな教会。大きくはないけど、大塚にはサイエントロジー東京もある。もちろん、地蔵通り商店街にはとげぬき地蔵で有名な高岩寺もある。巣鴨に宗教施設がたくさんある理由はよくわからないんだけど、これだけの集まっているのはある意味すごいと思う。
そういえば、『さらば雑司ヶ谷』が大きな影響を受けているであろう『池袋ウエストゲートパーク』がドラマ化された際、長瀬智也演じるマコトの実家は池袋の果物屋だった。東京で暮らすようになって、池袋駅の北口にある小さな果物屋さんをみつけたときには「あのマコトの実家だ!」と感激したものだった。『雑司ヶ谷R.I.P.』に出てくる「泰幸会スーパーアリーナ」が庚申塚にあることを「ありそう!」と感じるのは逆だけれども。
夕暮れの巣鴨の地蔵通り、とげぬき地蔵の前で、メイドさんが呼び込みをしているというカオスな風景を見て、そんなことを思い出した。
ところでさ、増田。東京に行ったことはあるか?摩天楼の並ぶ都心を歩くと、さすが日本の首都だと
思うぜ。東京の都心をぐるっと取り囲む、山手線っっていう鉄道があってな。池袋とか新宿とか渋谷
とか、都心の繁華街を結んでいるんだけど、これがいつ乗っても込んでいるんだ。よくみんなあんな
ラッシュに耐えてるよな。感心するぜ、マジで。そして、山手線の内側には、都心全域に網の目のよ
うに張り巡らされている地下鉄があるんだ。全部で12路線もあってな。便利だけど乗換えとかがけこ
うややこしいんだな。ところで、その地下鉄の中に、都営三田線っていうのがあるんだ。正式名称を
東京6号線っていってな、昨年の三田から日吉まで延長されて将来的にはもっと先まで乗り
入れるらしいぜ。便利になるよな。
さて、例えば東京駅からこの都営三田線に乗るとしよう。営団丸ノ内線で池袋方面に一駅の大手町で
乗り換えるのがわかりやすいけど、大手町なんて大して遠くもないから一駅くらい歩いてもいいだろう。
運賃ももったいないしな。目黒方面に行きたいとき、運良く武蔵小杉行きが来ればいいんだけど、半分
は途中の白金高輪で折り返しちまって、それより先に行きたかったら隣のホームの営団南北線の電車に
乗り換えないといけない。ちょっと面倒くさいな。だからここでは逆方向の電車に乗ることにしよう。
大手町の次は神保町だ。書店街で有名だな。都営新宿線と営団半蔵門線に乗り換えられる。その次は
水道橋。中央線に乗り換えられる。次の春日はつい最近までなんでもないただの駅だったけど、都営大
江戸線が開通したおかげで、後楽園の丸ノ内線と南北線に乗り換えられるようになった。
もちろん大江戸線にも乗り換えられる。春日の次は白山、千石と続いて、巣鴨に着く。ここからは山手
線の外側だ。巣鴨の次、西巣鴨は都電荒川線の新庚申塚、その次の新板橋は埼京線の板橋や東武東上線
の下板橋にそれほど遠くない。結構便利だぜ。まあ、JRも私鉄も、都心から延びる鉄道はほとんどみん
な放射線状になっているから、板橋区役所前、板橋本町、本蓮沼と進んでいくうちに他の鉄道からは離
れていくけどな。志村坂上を過ぎるとすぐに地上に出て、志村三丁目からは終点まで高架橋だ。はっき
りいって、これじゃあもう地下鉄じゃないよな。蓮根の次の西台の横には三田線の車庫があって、ここ
から出てきた電車は次の高島平から発車する。終点の西高島平まではあと二駅だけど、その一つ手前の
新高島平で降りておこう。
新高島平の改札口を出てすぐ左に昇り階段がある。これを昇ると歩道橋に上がれる。間違えて駅の外
に出ちまっても、左の「高島平3・4丁目方向」に出てすぐ左にあるから、そっちから行けばいい。歩道
橋を渡って、左側に下りる。下りてから駅や道路から離れる向きに進むと、すぐ高い建物に突き当たる
と思う。そうしたら左へ進む。そのまましばらく行くと右側の建物が途切れて、次の建物が見えてくる。
たぶん壁には3-11-1っていう表示があるはずだ。その建物の、こっちから3分の1くらいのところにエレ
ベーターホールがある。エレベーターは3台あるけど、行ける階が違うから、右の9号機じゃなくて左の
7号機か真中の8号機に乗ろう。そのエレベーターでは8階から14階に行けるはずだ。とりあえず14階まで
上がろう。ちょっと遅いエレベーターだけどまあ我慢してくれ。
そして14階から廊下に出るんだけど、もし三田線の車窓からこの高島平団地をよく観察していたなら、
あることに気がつくはずだ。そう、この建物だけ、廊下の 外側に鉄格子がついていないんだ。だから下界