はてなキーワード: メガネの三城とは
俺は関東文化圏で生まれ育ち、その後は結構あちこち地方都市にも住んでいるんだが、「東京」という単語の扱われようってのは見ていて面白い。たとえば、東京在住者はそれが当たり前だと思っているだろうが、「東京○○」って商標名とか店名ってあるよな。あれは地方によって求められることも疎まれることもあるのよ。
たとえば、ひと昔前の関東在住者なら子供の頃から厭ってほど聞いているCMソングに、
ってのがある。で、俺が関西圏に移り住んだとき、テレビからこれが流れてきて、へー大阪にもあるんだー、と聞いていたら、
「♪だかーらーフーフーフフーフー」
いやあ、ずっこけましたよ。そこだけスキャットかよ、と。調べてみると、大阪にも東京メガネの系列店があるらしいんだが、特に大阪や京都では「東京」というワードがウけないんでこうなっていたらしい。
東京コンプレックスとか言われるだろうが、そうではないんだな。同じ眼鏡屋なんだが、兵庫・姫路発祥の「メガネの三城」ってのがある。1930年代からの老舗なんだが、ここが1973年に東京進出するときに設立した会社が「株式会社パリーミキ」。
って、やはり一昔前の関東在住者ならCMでよく聞いたものだけど、関西圏では、
「♪メーガーネーのー、ミーキー」
って「パリ」入らないんだな。要するに関東というか東京では「東京」とか「パリ」とかラベル貼るとウケるってことでしょうね。
これは俺の個人的印象だけど、地方都市で独自の都市文化や都市の歴史があるところでは、「東京」の魔力ってのはあまり発揮されない。むしろ疎まれる。京都なんか典型だよね。それに対して、自分のところは田舎だ、というコンプレックスがあったり、都市文化が醸成されていなかったりするところでは、「東京」の魔力が遺憾無く発揮される。そして若い人には居住地に関わらず(昔は文化の集積地として、今は消費できるアイテムの集積地として)今でも十分に魔力が発揮されるわけだな。
ちなみに東京と大阪の間の名古屋辺りはどうか、というと、この辺りは「東京」の魔力が十分効力を発揮するわけよ。距離的には京都・大阪の方が半分位なのにね。