2024-07-05

田舎者の「ムシャクシャ」と「第四空間

 いわゆる田舎に住んでいるとムシャクシャしたときの捌け口が少ない。これが都会なら、バーに行くとか、ストリートに行くとかで発散できる。しか田舎にはそれがない。

 社会学者宮台真司が『まぼろし郊外』という本の中で、地方女子高生援助交際をする理由を当の女子高生取材していたが、そこで語られたのは「ムシャクシャするから」ということだった。地方には何もない。バーストリートといった家庭でも地域でも学校でもない、ある種の祝祭的場である「第四空間」がないことによるムシャクシャが地方女子高生援助交際に走らせるのだと本では分析されている。

 現代インターネット生活の中心となり都会と田舎生活環境の差異が目立たなくなってきたとはいえ、都会と田舎空間格差が完全に埋まるわけではない。田舎はいまだに、ムシャクシャの捌け口となる「第四空間」は存在せず、若者たちはやり場のない鬱屈を内にため込むことを余儀なくされている。

 私は首都圏郊外に生まれ育ったが、ムシャクシャの捌け口を見つけることは難しいように感じる。なにもバーストリートなどの社交の場でなくとも、ネオン煌めく繁華街の雑踏に身を置くだけでムシャクシャした気持ちは割と解消されるのだが、郊外住宅地には繁華街など存在しない。延々と続く均質的デザインの家々に囲まれた街は私たちのムシャクシャを吸い込んではくれない。それどころか、壁のように迫る建物の圧迫感は時として負の思いを増幅させもする。

 このように考えると、私たちが都会に住みたがる理由通勤通学や買い物の利便性だけではないことがわかる。私たち意識的しろ無意識的にしろ、やり場のないムシャクシャを吸い取ってくれる場所を都会に求めているのかもしれない。

  • そんなことになるのは育ちが悪いヤツラだけやとおもう なんであんなふうに素行が悪くなるのかワイはまったくヤツラを理解できんかった

  • ムシャクシャってなんだよ イライラなら分かるけど俺はそのムシャクシャという感情になったことが一度もないかもしれん つまらなさが鬱積して自暴自棄かやぶれかぶれみたいな気持ち...

    • ぬーすんだバーイクではーしーりーだすー よるの校舎窓ガラースこわしてまわーったー ナーイフみたいにとがってはー、さっわるものみな、きずつけたー …なんてメーワクな人たちだ...

  • 田舎ではムシャクシャは弱者に向けるんだよ

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