なんで私以外のみんなは、他者に興味を持つことができるのだろう。
単なる性的な関心とも、博愛精神とも、友情とも峻別できる他者への好意が自分の心に存在することを、
さらには、自分と親しく関係することを他者に求めるわがままを自分に許す。
なんで私以外のみんなにはできて、私にはできないのだろう。
寡黙な父の遺伝子のせいだろうか、会話の少ない家庭で育ったせいだろうか、
私には他者に興味を持つことを自分に強いる必要があるのだろうか、とか。
人種が違う。悲しくなりこそはすれ、うらやましいと思うことはなかった。
そんな私だけど、婚活を始めようと思っている。
年のせいで、あれこれ真面目に考えることができなくなってしまったからだ。
それにあれこれ考えたところで、人との関係は自分一人で作るものではなく人と一緒に作るモノだ。
今さら人を愛したいとも、人から愛されたいとも思わないけれど、
一緒に登山に行き、温泉に行き、少しうまいモノでも食べましょう、
くらいのノリから始まって、一人で死ぬ人生よりも、まだましな人生が見つかるかもしれない。