2023-09-19

よくわかるインボイス

課税事業者と免税事業者

事業者には、消費税納税免除された免税事業者課税事業者存在します。

ここで、免税事業者に関するクイズです。

問題:

免税事業者との取引あなたは総額110円を支払いました。

この取引で課された消費税はいくらでしょうか?

答え:

正解は0円です。免税事業者消費税納税免除されているので当たり前ですね。


仕入税額控除

仕入税額控除とは、生産流通過程消費税が累積することを防ぐ仕組みです。

課税事業者は、売上にかかる消費税から仕入れにかかる消費税を控除することができます

実際に問題を解いて、控除される金額計算してみましょう。

問題:

あなた課税事業者です。

110円を支払い商品仕入れ、220円で売りました。

消費税納税はいくらでしょうか。

答え:

a) 仕入れ先が課税事業者である場合

あなた商品仕入れる際に課された10円の消費税を控除することができるため、納税額は20-10=10となります


b) 仕入れ先が免税事業者である場合

免税事業者との取引で課された消費税が0円であることから納税額は20円になると考えたかもしれません。

しかしながら、正解となる納税額は10です。おかしなことが起こりましたね。


インボイス制度目的

現行の制度では免税事業者課税事業者区別することができないので、免税事業者との取引でも税率を10%とみなして10円の仕入税額控除を受けることができます

これが「納税なき控除」と呼ばれ問題視されてきました。

インボイス制度目的は、登録を行った課税事業者のみを仕入税額控除対象とすることで、免税事業者との取引で「納税なき控除」が発生しないようにすることです。


インボイス制度による影響

インボイス制度実施されると、免税事業者から仕入れにおいて、仕入税額控除を受けられなくなった分の経費が増加することになります

これに対する課税事業者対応としては以下のものが考えられます

① 甘んじて受け入れる。

② 免税事業者から仕入れを取りやめる。

③ 免税事業者に税額分の値下げを要求する。

①を選んだ場合には、経費が増大することから販売する商品価格転嫁され値上げに繋がるおそれがあります

②のような免税事業者であることを理由取引を停止することは免税事業者へ不当な不利益を与える行為ですが、インボイス制度実施後に免税事業者との取引を中止すると答えた事業者一定存在することも事実です。

また③も免税事業者への不当な要求ですが、これまで税率10%として取引を行っていたという"益税"の論理によって正当化されています

この他にも、インボイス制度に移行することによる事務手続きの増加も問題点として指摘されています

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん