以前、恋人が「オレがもし死んだら、わんころべえに入るよ」みたいなことを言っていたのだけれど、私はそれを「いえ、わんころべえにはわんころべえの人格があるので」と、キッパリお断りした。
わんころべえというのは、私が長年一緒に過ごしているぬいぐるみの名前だ。
死ぬまで一緒に過ごすつもりなのに、死んだ彼の魂が入っちゃったら、わんころべえの心はどこに行けばいいのか。
許されザル事なのでノーセンキューした。
そのとき、恋人がなんだかしょんぼりして見えたので、「悪いことしたかしら」と、一緒に暮らし始めたのを機に彼の好きなキャラクターのぬいぐるみを勝手に買ってリビングに置いた。
新入りのコイツは、まっくろで、イタズラ好きらしい。
もし彼が死んだら「コイツに入ったらいいよ」と思いながら、もちょもちょ遊んでいる。
彼が帰ってくるタイミングで玄関に置いてお迎えしてみたり、彼の脱ぎっぱなしの服の前に立たせて圧をかけたり。これが意外と楽しい。
彼も彼で、私が出張から帰ってくるへろへろのタイミングで玄関に置いてくれたり、私のスリッパにつっこんで驚かせたりして、結構楽しんでいる。
帰ってくると、出かける前と違う場所に移動しているというのは、犯人がわかっていても何だかすごくワクワクするものだと知った。
このことを友人知人にそのまま伝えるのは何だか気恥ずかしいので、新しくSNSのアカウントをつくってぽよぽよと写真をあげるようになった。SNSを見ていると、全力でぬいぐるみで遊んでいる大人が案外たくさんいる。それを見るのもまた楽しい。
まっくろのコイツは、彼がのりうつるための存在なので、行動もちょっと彼っぽくしている。
ラーメンがあると寄ってくるだとか。彼と同じデザインのアイテムをつくってつけてみたりだとか。ときどき競馬をしたりだとか。
彼がこの先もし死んじゃって、コイツに入るってなったときに、「よしきた」と前向きにのりうつれるようにしているのだ。
手の平にころんとおさまるコイツは、一緒に過ごしてまだ一年ぐらいしか経ってないのにオシリが汚れちゃったりと既にくたびれはじめている。まだまだ、いやいや、それどころか、私も彼もどっちも死ぬまで元気でいてもらわないと。梅雨が明けたら洗ってあげようね。
私も彼も、いつ死ぬかなんてまったくわからない。なんなら私の方が先にくたばる可能性だってあるけれど、「死んだらのりうつる用のぬいぐるみ」があると、この先いつか「もうあんさんとはやってけまへんわ」以外の理由でお別れしてしまっても、ひとりで案外楽しくやっていけるだろうなと思う。
「死んだらわんころべえに入る」と言ったことなんて、彼はもうとっくに忘れているかもしれないけどね。
いつかそのときがきたら、「ここに入っていいよ」って教えてあげようと思う。
彼氏にぬいぐるみがバレた増田?
名前はいぬじろう?
共同墓地みたいに複数人が一緒に宿るぬいぐるみがあってもいいかもね。 複数の魂が宿るキャラクターはときどき漫画やゲームで出てくる。 あんな感じ。
かわいい話だ 自分が死んだら乗り移る用のもの買っておこうかなあ けど故人の所有していたぬいぐるみや人形とか、よっぽどのものじゃないと早々に廃棄されそうだよなあ 貴金属の品...
新進気鋭のエッセイスト感があり、読み通してフレッシュな気分になった
死ぬ頃にはコイツの人格を感じるようになってるのでは
バッドばつ丸やろか?
実質シン仮面ライダー
彼氏が不能になったと思ったら、ぬいぐるみにちんこが!
依代は人形でもぬいぐるみでもいいけど、精巧に作れば作るほど憑依が成功する確率が高い。 依代職人の腕の見せ所だよね。 今にして思えば、アイドルのぬいの服を脱がして乳首や珍が...
可愛くていい話
呪いのわんころべえ
ペニスのぬいぐるみを用意しておけば良いですよ
ジャニーズのやつ?
デッドマウントデスプレイとかなんか臭いな 文化度低いんだよ。
IKEAのサメにのりうつれば、『ぬいぐるみ彼氏シャーク』としてサメ映画に新しい風を巻き起こせるな。
わんころべえ増田が元気そうで嬉しい 新しいぬいぬぐるは彼氏の名前で呼んでるのか?