2022-07-26

猫はどこに行った

うちのアパートの隣地で野良猫子供を産んだ。

隣地は週に数回、管理人が訪れる程度。

鉄筋コンクリート造の建物複数倉庫があり、建物外でも雨風凌げる場所が多い。

親猫には都合が良さそうだ。

仔猫は3匹いて、遠目にはその様子は可愛らしかったが、アパート住民からしたらやっぱり不都合なことだった。

車に傷がつき、糞の匂いが漂った。

子供が威嚇されていて、怪我してしまわないか不安だった。

野良猫アパート敷地内にいれば追い払うし、忌避剤をまいたが、安全地帯と化した隣地があるかぎりどうにもならなかった。

隣地の管理人にも協力してもらって、どこか棲家を変えてもらわなければならない。

管理人が訪れたタイミングで現状を訴えた。

いや訴えようとした。

管理人こちらの話を遮り「対応します」と短く答えて、すぐに去ってしまった。

その冷たさから、隣地の管理人が餌付けをしているのか(なお餌付け現場は見たことない)、対応する気がないのか、そういうふうにしか思えなかった。

それから特に様子は変わらず、アパート敷地内で見つけては追い払う日々が続いた。

それから、約三週間後。

から仔猫3匹を追い払った。

夕方帰宅すると駐車場仔猫が1匹死んでいた。

外傷はない。栄養不足か病気か。

野良猫生存率なんて大したことないことは知っている。

普通に死んだだけに見えた。

そして、これ以降、猫を見ていない。

あの日、隣地は草刈りとか一斗缶撤去とか少しだけ掃除がされていた。

相変わらず猫が隠れる場所はたくさんありそうに見えたが、この環境の変化を嫌がって引っ越したのだろうか。

でも考えてしまう。

管理人の言う「対応」とはどういう意味だったのか。

隣地には外部から見えない死角はたくさんある。

そこで何が起きていてもわかりようがない。

猫がいなくなったことと、これがアパート住民にとっては望ましい状況であることだけが確かだ。

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