巷ではNTTが転勤を原則廃止し、リモートワークを基本とするスタイルを進めていくということだけれども、こういう「働き方改革」系においてはとかく労働基準法上の問題が置き去りにされている気がする。
弊社でもNTTの発想と同じようにリモートワークにおいては柔軟に勤務を分断して家事・育児との両立を図ることが可能という形を試験的に行っているわけだけれども、労基法上の勤務時間管理は始終業時間について「使用者が現認し、記録すること」「タイムカード等、客観的な記録を基礎として確認すること」となっており、リモートワークにおいては一般的にはPCのログ等をベースになんらかのシステムでもって管理していることと思う。
ただ、この場合に悪用の温床となるのが分断勤務である。管理者のパワハラによる悪用はまったくもってけしからんので、別枠として、出力100の管理者が出力30しか出せない部下に対して100の業務を割り振った時、通常認められる時間外上限を超えないと処理できないが、客観的な見方では時間内に収まる作業量を指示されている場合に、部下が己のスキルのなさがバレることを恐れて分断勤務を活用し、分断中も作業を進め、時間外の短縮を図り、それが労基署等に不適切な服務と指摘されたら責任を負うのは会社である。