2021-08-16

盛岡市の夜、散歩、雑感、コンビニ自分を助けに行く

先日、うつ病と診断された。

休職根拠となる診断書会社に届ける必要があったのだが、

会社に行こうと思うと、なぜだか体が動かなかった。

それに、私服で外に出るのもなんだか気が進まない。

そういえば心療内科に行ったときも、ずいぶん迷ったあと会社に行く服を着て行ってしまった。

もう自分はこれを着なければ外に出られない、と思っているのかもしれない。

それに万が一、路上で誰か知り合いにでも遭遇したらと思うと、それだけで息が詰まる。

  

そんな事を考えているうちに、いつのまにか25時になっていた。

今なら、会社ポスト書類ひとつ投げ込むくらい大丈夫だろう。家を出る。

  

2日ぶりに接した盛岡市空気は、思っていたほど寒くはなかった。

バス停のベンチで、カップルがなにか瓶の飲み物をあおっているのを横目に見る。

どうか自分の知らない人であってほしいと思うが、それを確認する勇気はなかった。

  

ポスト封筒を入れた。

間違えようもなかったが、通用口を去る前にもう一度ポストを覗き込み、

自分の行ったことが残っているのを確かめた。

それはどこか儀式のように思えた。

  

必要ものはなにもないが、コンビニに寄ろうと思った。

すべてがそこそこおいしそうで、それゆえにすべてがそこそこどうでもよかったため、

毎日ここで昼食を買っていたにもかかわらず、なんの印象もないファミリーマートだった。

ある時、コンビニに入った客が予め決まっている欲しいものジャンルからひとつひとつを選び、

会計を済ませて出ていくその一連の動作が、まともにできなくなっていたのに気づいていた。

欲しいものがわからなくなり、自分が何をしているのかわからなくなり、

周りの客が造作なくできている「流れ」からはぐれて、何分も経っている。

あのとき全く買うつもりのないお菓子の棚を何分も見つめていた自分は、

もしかして今もまだこの店内に立ちつくしているのではないか

  

缶コーヒーを買って、帰る。

店内放送は、今しがた流れていた曲のタイトルを告げる。「LIFE IS GOODでした。」

そうか、ライフイズグッドか。そうかもしれないなと思う。

帰ったら日記を書こう、と思った。

今日やったことや、今日見たもの、その答え合わせをしたいと思った。

  

バス停カップルは居なくなっていた。

ひと気のなくなったその場所は、真っすぐ見ることができた。

  

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