2021-04-04

コロナ後だからこそ観る『シンゴジラ

シンゴジラ

言わずもがな庵野秀明監督による実写映画である

この映画2016年……つまり5年前に放映されて爆発的ヒットを記録した。もちろん、当時の私も観に行った。

面白かった。

昔観ていたゴジラ記憶がチラついたが、「災害ゴジラ) vs 日本人」というわかりやすい構図は、東日本大地震を乗り越えた日本人にとって心に響くことも多かっただろう。

そしてつい最近、私は暇を持て余して「シンゴジラ」を観た。

だが、面白くなかった。

映像や内容自体は何も変わらない。変わったことはただ一つ……いまがコロナ禍だということだ。

コロナウイルスの流行によって世界が一変したことは当然のことながら、皆さんもご存知であろう。

その「コロナ世界」の私にとっては、シンゴジラは全く面白くなかったのである

劇中では、少し頭が固いけど責任は取れる政治家たちと、有能で頭脳明晰官僚たちが頑張りまくってゴジラを退治する。

そしてゴジラによって破壊された街を前にして「日本人は何度だって復興してきたんだ」的なことを言って終わる。

だが、実際の災害コロナ)に対する日本対応は全く違った。

保身と欲望に塗れた後手後手の対応、全く追いつかない旧式のシステム税金に群がるシロアリたち、不透明意思決定プロセス、「雰囲気」で全てを決める無能政治、硬直的で汚職に塗れた無能官僚たち。

これが私たちが実際に目の当たりにした「災害対応する日本人」の姿である

この現実を見てしまえば、劇中で一致団結して災害ゴジラ)に立ち向かう姿が滑稽に見えてしまう。

いちいちシーンごとに「いや、この官僚左遷させられるんだろうな」「いやこの作戦中抜きされてうまくいかないんだろうな」とか思ってしまう。

なんというか、コロナ日本現実を知ってしまったよ。

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