急に、まるで人類が新型コロナウイルスに勝利したかのように、世の中が急に活気づいているんじゃないかと思うくらい、昨日、当店は激混みしていた。
出勤したら、珍しくオーナーがまだ事務所にいて、Aさんがびくびくしていた。オーナーに何か怒られるのかと思ったらしい。だが、オーナーは単になんか急に仕事がしたい気分になったから来てみただけだそうだ。
女子高生アルバイトさんが、運転免許を取るための合宿に行くので一週間休みだという。いや一週間で合宿は終わらなくないか? 再来週のことは来週言えばいいと思ってるだけなのだろうか。よくわからない。
カフェマシンの洗浄と掃除は、当店では毎日行われているはずなのに、何故かマシンのギミックの隙間に、ヘドロ状になったコーヒーのカスが、どろどろとへばりついていた。ヘドロは位置的に、そのままコーヒーに混入することはないのだが、なんかクソきったないので、こっそり無料のお箸を一本開けて、割箸と爪楊枝を使ってヘドロを掻き出した。もしもお箸まで有料化されたら、こんな融通も利かなくなるんだな。それはちょっと不便だ、なんて想像した。プラスチックのスプーンも、たまに一本くすねて、カフェマシンの豆をストックするケースを洗浄するまえに、豆を掻き出す為に使っている。スプーンは有料化ほぼ確実の流れっぽいので、来年からは困っちゃうな。
21時半頃にやっと暇になった。Aさんと雑談をした。最近、Aさんはやたら私に赤ちゃんの生態とか赤ちゃんのいる暮らしについて聞きたがる。そんなん聴いて楽しいのか? と不思議に思うが、Aさんは何故か楽しそうなので、話してやる。
赤ちゃんは、産まれたばかりの頃は昼夜逆転気味なので、親は夜中に赤ちゃんの泣き声に起こされるし、なんなら連日睡眠時間が一時間半くらいになる。と、私が説明したら、Aさんが、
と、前のめった理解というか誤解をしてしまう。いや、なんか赤ちゃんの泣き声がするとつい目が覚めるってだけで、寝ないで生きれる超人になるわけではないからね! と私は慌てて付け加えたんだが、そこはAさん何故だか聴いてない。聴いて!
そこまで話したところで、またぞろぞろとお客様が来店したので、雑談は終了。今度赤ちゃんのことを聞かれたら、赤ちゃんの声帯は頭の中にあるので、赤ちゃんの声は口ではないどこかから聞こえてくる、という話をしてやろう。