2021-02-08

大学近くのパンティ

学生の頃、大学の近くに使用済みパンティを買ってくれる店があった。

値段はせいぜい小遣い程度なのだが、ときどき不要パンティを売りに行き、その金でいいランチを食べたりした。

私のサークルでもこの店のことはよく知られていて、私以外にもパンティ売人が相当数いたようだ。

男子のいないところで集まると、どんなパンティいくらで売れたとか、情報交換をすることもあった。

ある時、付き合っていた男に、パンティプレゼントされた。

けばけばしいワインレッドパンティで、ぜひ私に履いてほしいのだという。

マジ悪趣味だなと思ったが、かといって別に害があるわけでもないので、とりあえず受け入れた。

これを履いていると、鼻息を荒くして股間に顔を埋めてくるので、いま思えばただの変態だが、当時はさほど悪い気もしなかった。

驚いたのはその後だ。

ある日ふらっとパンティ屋に行ったら、ワインレッドパンティ店頭に並んでいた。

私が履かされているのと、まったく同じパンティである

だが、もちろん売ったのは私ではない。それでは誰なのか。

一つ心当たりがあった。

私や彼氏と同じサークルにいる、後輩の女子だ。

こいつは私の彼氏とできているのではないか、という噂が以前あった。

付き合い始めのころ、何気ない感じでそのことを聞いてみたが、あいまい否定するだけ。

推測するに、彼氏はあの女とやっぱり関係を持っていて、同じパンティプレゼントしたのではないか

不愉快な気分を引きずりながらサークル飲み会に行ったら、つい飲み過ぎてしまった。

ヤリチンで知られる後輩の男子が、明らかに下心のある感じで私を送ろうと提案してきたが、面倒で断る気も起きなかった。

そしてホテルに行って服を脱がされたとき、後輩男子怪訝な顔をしているのに気づいた。

目線の先にはワインレッドパンティ

ああ、趣味が悪いと軽蔑しているのだろう。

と思っていたら、そいつはこんなことを言ったのだ。

「このパンティ最近流行ってるの?」

翌朝、着替えているときパンティにあのヤリチンの体液が付着していることに気づいた。

最悪なことに、無理に拭き取ろうとしたら、かえって跡がついてしまった。

パンティに変な跡がついていたら、彼氏浮気を疑うかもしれない。

新しいのを買えばよいが、どこに売っているものなのかも分からない。

こうなればやむをえない。

私は例のパンティ屋に行き、ワインレッドパンティを購入した。

嫌で仕方なかったが、その後も彼氏が頼むときはそのパンティを履いた。

この男は全く気づかずに、飽きもせず股間に顔を埋め続ける。

いや、気づいたところでどうでもよく、顔を埋め続けるのかもしれない。

こいつが執着しているのは、私でも後輩女子でもなく、パンティなのではないか

とうとうウンザリして、ほどなくして私たちは別れた。

あの憎たらしいワインレッドパンティも売ってしまおう。

そう思ってパンティ屋に行くと、誰か先客がいるようだった。

近づいてみると、それはあの後輩女子であった。

私の手に握られたワインレッドパンティを見て、彼女は何かを察したようだった。

「先輩もパンティを売りに来たんですか?」

彼女の手には、ショッキングピンクパンティが握られていた。

そういえば、彼女最近彼氏と別れたという噂だった。

おのおのパンティを売って外に出ると、まぶしい日差し私たちに照りつけた。

「先輩、ランチでも行きませんか?」

後輩が無邪気に問いかける。

以前は嫌なクソビッチだと思っていたが、もうどうでもいいことだった。

「うん、お金も入ったことだしね。焼き肉でも食べよう」

こうして私たちは歩きだした。

暖かい春の風が、ノーパンになった私たちの太ももを、ゆるやかに撫でて去っていった。

  • ワインレッドの心

  • 使用済みのパンツってブルセラショップで1000円ぐらいでゴミみたいにして売られてるから、ここの増田の言ってるランチってたぶん学食のことだ

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