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マキマはチェンソーの悪魔すなわちチェンソーマンを現出させる必要があった。打ち負かすために。チェンソーの悪魔すなわちポチタに対して意識の上で優位に立っているデンジを無力化する必要があった。
チェンソーの心臓を持った人間(デンジ)では、概念を消滅させることはできないのだろう。
マキマはデンジの心を昏倒させ、無力化するために、デンジを精神的に追い込んだ。絶望の底に落とした。そのために早川アキを銃の魔人と化し、デンジに殺させた。パワーをデンジの扉を開けるという行為を介在させて殺した。
マキマは公安の幹部という立場を利用して手駒を多く作った。チェンソーマンを打ち負かすために。
悪魔・魔人退治の名目のもと、己の手駒とすべくひとつひとつ積み重ねてきた。マキマの行動にはすべて一貫性がある。
マキマの目的は、より良い世界を作り上げること。これは己の善意に基づいてのものかもしれないが、死のない世界とはなんとおぞましい世界か。死がなければ人は執着を手放せない。執着にまみれた人生を永遠に生きねばならないとは地獄そのものではないか。マキマは強い力を持つ存在だが、人間に対する理解が浅く、誤った方向へ世界を変えようとしているあたり、邪悪な存在という他ない。
・マキマの苦悩:
マキマはチェンソーマンのファンであるがゆえに支配できない。チェンソーの悪魔を自分よりも程度の低い存在と認識できなければ目的は果たせず、己にない能力を持つ、尊敬すべきチェンソーマンを貶めるねばならぬところにマキマの苦悩がある。
・名は体(本質)を表すか: