2020-08-28

ケノーシャ銃撃事件

ウィスコンシン州で、自称自警団少年(17)がデモ参加者?と揉めて最終的に発表した事件について。昨夜から、大量のアカウントが一斉に「少年正当防衛だ!」と同じ主張を声高に叫んでて大変奇妙に感じる。…とともに、同時にアップされる動画を見てある種の納得を感じてる。「ああ、あっち寄りの人からは、これが『大量の黒人に襲われて殺されそうになった哀れな少年』に見えるのだな」と。

動画は、BBC等が報じたニュース映像があちこちでアップされてるから、実際に見てみてほしい。たとえばこれ。

https://www.youtube.com/watch?v=39BpJ7juniE

以下、私が見て率直に感じたことを述べる。

・冒頭、突撃銃?を肩がけした「少年」が右から走ってくる。銃が重いからか、「少年」の足取りはやや重い。

・一、二度「少年」が振り返る後ろから左手に布のようなものをもった小柄な人物Aが追いついて(かなり全力で走ってきている)少年背中を空いた右手で叩く。

・向かいから来る人々は「何だ?」という表情。動画以前に、はるか右後方で、何かトラブルがあったように見える。(これが何かは分からない)

最初のAは、少年を叩いたところで力尽きたか画面左にはける。入れ違いに、7~8人の人々が右手からいかけてくるが、Aほど全力疾走ではない。

・次に追いつく人物Bは右手スケートボードらしきものをもち、「少年」接触シーンが手前の人物のせいで見えないが、その後、Bが左手にはけて、スケボーを拾っているように見えるので、おそらくそれで「少年」を叩いたのではないか

「少年」さらに数メートル(5~7歩)走ったあと、何もない所で転ぶ。疲れで足がもつたか、直前叩かれてバランスを崩したかは分からない。両方かもしれない。

・転びざま向き直って、座ったまま、少年は近寄ってくる最初の人Cに銃を向ける。C、それから続いて近寄ったDが銃口を見て飛びのく。

・それに気づかず走り込んできたEは倒れている少年に飛びかかるような形となり、少年が反射的に発砲1。←ここで止めていれば、まだ過剰防衛くらいのラインで押せたかもしれない。

・次に発砲を見たスケボーのBが少年に飛びかかり、銃を奪おうとするが果たせず、その時におそらく発砲2、少年のもとを離れ数歩歩いたBは道端に倒れる。←殺意

・更に、後から走り込んできたFがBが退いた後銃を押さえようと近づいたのに対し、威嚇から発砲3される。 ←殺意

・遠巻きになる人々。少年は銃で周囲を威嚇しつつ立ち上がり、立ち去る。

 

以上は、私の「感じ方」だが、明確に感じたのは少年の「恐怖」ではなく、素手でかかってくる周囲の人々に対する少年の「逆上」「悪意」の方だった。「オレに手出しするなら、お前らは殺されて当然だ」みたいな心中が聞こえてくるような様子だ。発砲時も少年パニックを起こしているようには見えないし、その後も十分冷静で、「恐怖」は感じられない。立ち上がった後の傲然とした様子、自分が撃って道端に倒れている人間一瞥だけして去る様子などを含めて。

正直、あの動画を見て、「少年かわいそう…」と思うのは相当無理である。まして、有色人種である側の我々としては。それに対して日本語で、「一斉に」「大量に」「似たような内容の」擁護ツイートを繰り返す人々は、一体何をどう感じているのだろう。そこに、大きな違和感を覚えている。

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