最初何を表現しているのかさっぱりわからなかったが、色々感想を見てなるほどと。これはすごい漫画だと思った。自分用にメモ。
漫画を読む限り主人公は、表面的に愛想よく振舞い、その場に溶け込む優等生的な能力がめちゃくちゃ高い。内心嫌って軽蔑している友達や彼氏の前でも、笑顔をたやさず器用に話を合わせることができる。他者に対しては常に減点方式で値踏みをしているのに、それを悟られることは決してない。彼女は、何もクリエイティブなことをしていないのに、クリエイティブな人たちと知り合って仲良く付き合えている時点で、決して平凡な人ではない。現実の「普通の人」の圧倒的多数は、友達づくりそのものが苦手でコンプレックスだったりするが、彼女の場合はなまじ能力の高い知り合いに囲まれていることで、かえって「バカにして!」とコンプレックスをつのらせている。さらに他者に過剰に同調できてしまう優等生にありがちな話として、「こんなに我慢しているのに」「こんなにみんなに合わせているのに」という、「見返り」がないことに対する不満というか被害者感情がたまりにたまっていく。
こういう「優等生女子」の悩みやコンプレックスを知ることができるのはこの漫画の収穫だが、安定した仕事も友達もいない自分からすれば、あまりに贅沢な悩みで同情できないという感想も正直ある。既に批判されているが、最低賃金パートがデフォルトの独身女子にとって、正社員の経理の仕事は高嶺の花だ。真面目な話、主人公が作者自身の投影であるなら、一度ジェーン・スーのお悩み相談にメールを出したほうがいい。