2020-06-12

絵が下手だったのは自己肯定感がないからだった

私はインターネットに無数に存在する「絵師」というヤツの端くれの端くれのような存在である

自分絵師としてイマイチなのは、旬の人気キャラクターを描いていないこともあるが、まず単純にただただ絵が下手である

ポーズが単調。手足が描けない。まず身体も顔も上手く描けてない。構図が上手く作れない……などなど下手ポイント上げたらキリはないが、自分が上手ではないということはよく理解できる。

絵を描いてる以上、やはり絵が上手くなりたいものだ。

自分画力に足りないもの、それは明らかに基礎だった。人体の構造とか絵の基本ルールから知らないことが多すぎた。

へのへのもへじ」のように、丸を描いて点や線をそれっぽく配置すれば、人はそれが顔だと認識できる。

だが美少女イケメンのような綺麗で魅力的な顔を描こうとしたら、角度や間隔、大きさなどパーツ間の綿密な調整が必要になる。その方法を私は知らないまま絵を描いていたのだ。

このコロナ自粛期間、家にいられるという大きなメリットを得た私は、改めて本格的に絵の勉強を開始することにした。

私は有料のものを含め講座系の動画を見漁ったり、練習用の教材を試したりした。

すると簡単なことに、短期間でもコツさえ掴んだらある程度は絵がうまくなるものなのだ

しかしもう一つ、絵のコツそのもの以外に気付いたことがある。それは自分自己肯定感が絵の上達を妨げていたことだった。

心のどこかで無意識に「自分は一生絵が下手なままだ」と思っていたのだ。

これでも「自分もっと上手くなれる!頑張ろう!」とか「自分の絵柄は好き!」などとポジティブな事を考えていたつもりだったのだ。

でも心の奥底では「自分は一生絵が下手なままだ」とか「自分の絵が上手いはずがない」と思い込んでいた。

それに気づいたのは、絵のコツを一つ掴んだ時だった。今までにないぐらいバランスが良い顔が描けたのだ。自分もびっくりするぐらい綺麗だった。

だがここで自分の心に違和感が生じる。

「こんなの私の絵ではない」

次の瞬間ハッとして「綺麗な絵が自分で描けて、なぜいけないのか?」「どうして、私の絵ではないと思ったのか?」を自問する。

自分の絵が上手いはずがない、上手くなるはずもない」、それが答えではないか

かばかしい。なぜ上手くなるために練習してるのに、上手くなったら自分の絵じゃないと拒絶しなくてはならないのか。

それが自覚的になっただけよかった。次に「こんなの私の絵ではない」と思っても、都度それを否定していけばよいのだから

この話はまだ劇的なハッピーエンドではない。

でも知り合いから「最近上手くなったね!」と言われるようになったり、心なしか前より「いいね」の数も増えた。

下手なままでいるべきだと思う自分を殺し切る頃には、きっとそれなりに絵が上手くなっていることだろう。そんな気がしてきた。

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