一言でまとめると、画面越しに悲恋ぶって自分に酔っている話。文章もそんな感じ。
私には大好きなキャラがいる。一日中彼のことを考え、彼だったらどう考えるかまでを想像するタイプのオタクだ。だが夢女子として吹っ切れられず、ひたすらに拗らせた片想いしか妄想できない。
理由は簡単で、好きなキャラには公式で相手がいるからだ。ありがたいことに、何があっても振り向くことはないと明言されている。所謂横恋慕だ。
読者として最も遠くで見つめてきたため、キャラの良いところが目に入る。単純に彼を構成する要素が好ましいのもあるが、一番は好きな相手への態度だった。
どれだけ困難があっても、一途に想い続けるところが好きだ。豊かな表情をこれでもかと見せる姿に胸が締め付けられる。普段は頼りなさげなのに、いざとなったら誰よりも活躍するのもかっこいいのだ。
しかし、どれもが全部相手のための態度である。素直に羨ましいと嫉妬してしまう。次元越しに地団駄を踏んだことも一度や二度ではない。何度も成り代れるものなら、入れ替えてほしいと願った。
だけど私が相手の立場になってしまったら、話が成立しないことは明白だ。彼は相手のすべてを愛している。そこに不純物が混じった時点で、相手の異変を見抜けると信じているからこそ好きになったのだ。
万が一でも彼が私に興味でも示そうものなら、この想いは報われることなく失望に終わると確信している。相手を差し置いて、他の女に現を抜かすようなキャラは嫌いだからだ。だというのに、私にだけその笑顔を向けてほしいとも祈ってしまう。
見事に「恋に恋する人」の典型例である。頭でも打って、彼の想い人の守護霊にでもなれば擬似的に満たされるのだろうか。むしろ自分の意思が存在しないことで渇望する未来しか予想できない。
そもそも相手が二次元のため、永遠に好きなキャラが私を認識することはない。当たり前だ。だが、彼が間違っても相手以外を想った瞬間、彼のイメービとともに淡い憧れは破綻してしまう。
なのに今日も隣を歩けたらいいと夢を見る。彼の一生塗り替えられることのない特別に焦がれ続ける。
一体私は何を思って、悲劇のヒロインを気取っているんだろう。
うんち
追いうんち