2020-02-04

低価格コスパのいい酒

教えてやろう。

言っておくが、ストロングなんとかや、麒麟なんとかではない。本物の酒だ。

マグナム」だ。

かつて横山やすしが演じた伝説映画ビッグマグナム黒岩先生」ではない。ワインのことだ。

だが普通店舗には置いていない。

買い方を教えてやろう。

お前はまずサイゼリヤに行く。おもむろに席につき、一言だけ発すればいい。「マグナムをくれ」と。

赤か白かはどちらでもいい。お前は自由だ。

ほどなくしてお前の目の前に、1500ml入りのどでかいビッグボトルが置かれるだろう。

これが「マグナム」だ。

お前の前にはグラスも置かれる。プラスチックで出来た通称サイゼリヤグラスだ。

だがこれを使う必要はない。

お前は栓を開けずに、そのままマグナムを持って帰れ。

レジで精算を忘れるな。値段は1100円だ。税込みだ。つまり税抜1000円ポッキリだ。

間違ってもつまみを頼んでその場で飲もうとするんじゃない。

サイゼリヤつまみは旨すぎる。

うっかりプロシュートを頼んでみろ。お前はマグナムを開け、その場で始めてしまうだろう。

そうするとエスカルゴも頼むだろう。

健康に気を使うなら青豆の温サラダもいい。これに最近グレードアップした無料チーズを掛ける。

バドバと無料オリーブオイルを掛けるのもいいだろう。お前はもこみちだ。

俺は好きではないが辛味チキンを頼んでもいいだろう。だが俺はソーセージを勧める。野菜ソースをちょびっとずつ舐め、そしてマグナムで流し込め。

どうだ?嫌なことをすべて忘れたか?そうだ。野菜ソースマグナムは、喉の奥にへばりついた人生の苦味を洗い流してくれる。

忘れていた頃に到着するエスカルゴはどうだ?おいやめろバカスプーンで食うやつがあるか。

フォカッチャを頼め。いいかフォカッチャ代をケチるやつは敗者だ。

たこ焼き器のような容器に溜まった、ちょいとガーリックが効きすぎたソースを染み込ませろ。口に放り込め。エスカルゴの程よい生臭さ、強烈なガーリック。この複雑な味をマグナムで洗い流せ。エスカルゴは6個ある。一個につき200ml飲め。そうすると、もうマグナム空っぽだ。

という具合にサイゼリヤつまみ危険だ。旨すぎる。

からお前は決して店でマグナムを開けてはいけない。

赤子を抱えるように持って帰れ。そして家で開けろ。

言い忘れたがマグナムスクリューキャップだ。ワインオープナーという七面倒臭いだけの旧時代道具を使わなくていい。

ここはお前の家だ。言うまでもなくお前は自由だ。自由に飲めばいい。

氷を入れてもいい。業務スーパー仕入れウィルキンソンで割るのもいい。

グラスがなければコップで飲め。コップもなければラッパ飲みでもいい。ただ重さには気をつけろ。内容だけで1.5kgあるモンスターだ。

お前はモンスター相手にしていると心得ろ。

マグナムisモンスター

酒を飲んでも飲まれるな。

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