2020-01-10

全国のミステリーファン

昨年からYouTubeに良質のミステリーが転がっているので、ぜひおススメしたい。

それは、桜を見る会野党合同ヒアリング動画である。はじめこそ、野党ヌルい進行や追及に、軽いイラつきを覚えるかもしれないが、そこはどうにか慣れてほしい。

面白いのは、官僚の答弁である。ありとあらゆる日本語を駆使して、否認言い訳・嘘ではないが事実でもないことを口にして、秘密真実を隠し通そうとするその様は、まるでミステリー作家が、様々なトリックを以って読者を騙そうとしているのに似ている。

例えば、名簿の廃棄については当初、

1.2019年から名簿の保存期間が1年未満の文書となり、会の終了後名簿を遅滞なく廃棄した

2.2018年度以前の名簿の保存期間は1年以上だが、1年以上経っているためそちらも廃棄済み

というような説明であった。私は、1の保存期間が変わったという点に強く疑念を抱きつつ、2については、まぁそういうこともあるかもしれないな、と思いながらヒアリングの視聴を進めた。

すると今年に入って、2について新たな事実が分かった。保存期間1年以上の文章は、廃棄時に記録を残す必要があるのだが、2013~2018年度に渡り、この廃棄記録がないことが分かった。

これは、素直に聞けば「2は事実だが手続き問題があった」なのだが、同時に「2を事実にするため、手続きに不備(その記録がない)があるということにした」というストーリーが、読者の脳裏推理として浮かび上がってくることになるのである

野党ヒアリング一事が万事この調子で、優秀な官僚のみなさんが、まるでミステリー小説容疑者かのように、どうアリバイを取り繕い、言葉巧みに読者を欺こうとしているのか、非常にエキサイティングに楽しめる。

少し前にはてブでも話題になったが、事実主観区別できないしゃべり方を意図的にしてくる、優秀な官僚のみなさん。特に酒田課長という、この物語キーとなる登場人物が、私のお気に入り登場人物である

彼が登場する続編(桜を見る会以外の)があれば、ぜひ読んでみたい、と思う。

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