2019-08-30

髪がコンプレックスだった

私はくせ毛だ。

髪はうねるし生えぐせもある。

この髪がずっとコンプレックスだった。


ショートに切った髪はすぐくねくねしてぼっさぼさ。

ブラシで髪をとかす音も軽やかさなんて欠片もなく、ゴワシュッゴワシュッって感じ。

合宿クラスメイトと一緒に過ごしたとき彼女たちがほとんど無音で髪をとかしていて衝撃的だった。

もびっくりしたが、相手もびっくりしてた。

そりゃそうだ。音量が桁違いすぎた。


どうにかしたいと親に泣きついた。

美容師にはストレートパーマでは太刀打ちできないと言われ、縮毛矯正をかけた。

しかし当時の縮毛矯正は不自然なほど直線になるもので、これも辛かった。

私は髪の毛一本一本が太くて黒くて、一本一本がしっかり見え、まるでワイヤーの束。

これをしたあと学校に行くと誰もが二度見するし陰でひそひそ言われた。

しか薬品くさい。

独特の薬品匂いは1週間ほどつきまとい、毎回気分が悪かった。

しかしそれでもサラサラストレートではあったので、母は仕上がりに大満足で定期的にさせられた。


髪を肩より長くすることを母は許さなかった。

髪が長くなると縮毛矯正費用もかさむ。

今のまま縮毛矯正をしていれば髪は短いままでもまっすぐだ。

長い髪は洗うのも乾かすのも手間がかかるし、面倒くさがりでがさつな私には無理ということだった。


それが変わったのは15歳のときだった。

不登校引きこもりになり外出を嫌うようになったからだった。

美容院に行く頻度も激減し、髪は伸びた。

学校に行かないし勉強もしないか時間たっぷりあり、面倒くさがりな私でもシャンプードライヤーちゃんとした。

腰の少し上くらいまでのロングヘアになった。


すると、あれほどうねうねしていた髪はかなり落ち着いた。

髪が長くなり一本一本が重くなったためにうねりが減ったらしい。

うねりが減ったから縮毛矯正をしないという選択肢を選べようになった。

適当につまんだ毛はほぼ確実に枝毛であり、枝毛じゃないきれいな毛を探すという暇つぶしをしていたほどなのに

枝毛を探しても見つけられなくなった。

抜けた毛を引っ張ってゴムのように伸ばす遊びも、いつの間にか引っ張っても伸びなくなって遊べなくなった。


コンプレックスがなくなって、外出もするようになった。

高校は一度中退してしまったが入学しなおしたし、まあまあな大学にも行った。

もう10年以上経つが、あれ以来髪を鎖骨より上にしたことはない。

もっと早くロングヘアにすればよかったと思う。

  • 私もくせ毛だからわかる 伸ばすと逆に落ち着くよね 親は少し毒っぽいかも…?? 乗り越えて、学校生活楽しんでね。

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