小さい頃、母と母の当時の彼氏(A)と三人で花火大会に行ったことがあった。
当時加護ちゃんが好きだった私は雑誌の付録のミニモニのボディシールを自信満々に腕に貼って行ったが、それを見たAは大声で「だっせえ〜」を連呼。
それまで何も言わなかった母も「それはダサいよ」とAに同調した。
悲しかった。
Aはその後花火が上がるたびにブラボーと叫んでは大きな拍手をした。うるさい人が苦手だったのでその場から立ち去りたくてたまらなかった。
別の日、母にAと焼肉に行くよと言われ「焼肉なら」と付いていったが、なんと店先には「もつ鍋」と大きく書いてある提灯が下がっていた。
もつが食べられなかった私は「聞いてた話と違う、絶対に嫌だ!」と拒否する。
母も「そうだね、せっかく来たのに」
何も食べずに帰ることになった。
その後は(覚えてないだけかもしれないけど)Aとは二度と会わなかった。
知らないうちに別れたらしい。
マジで些細で大したことない話だけど、ふとした時に思い出してもやもやしてしまうのは母がそんな意味のわからない男から娘の私をかばってくれなかったことに対して悲しかったからだろうな。
お母さんは遅くまで働いてたから保育園のお迎えはいつも一番最後だった。小学校に入ると祖母の飲食店に預けられ、深夜に母が仕事を終えてくたくたな時に迎えに来てもらっていた。
水曜日が母の休みの日だったので毎週楽しみで仕方なくて、その日は友達遊ぶ約束をしないようにしていた。
わたしがずっと欲しいって言っていたぬいぐるみをサプライズでくれたり、ぬいぐるみで一緒に踊ったりもした。
そして毎日お弁当作ってくれて、私の予備校も受験も受け入れて応援してくれたお母さん。
仕事と子育てで忙しい中出来た彼氏で、言えなかったんだろうな。てか私もダサかったし、駄々こねて鬱陶しかったよね。ごめんなさい。
ただAが今でも嫌いってだけです。
育ててくれたからって悲しみを帳消しにしようとする必要はないよ。育ててくれた事は有難いと思う、でもあの時クソ男に同調して一緒になって娘である私を傷つけた事は許せない、っ...
初めはもやもやした気持ちをただ吐き出そうとしていたのですが、そんなことを根に持っている自分もいやだし、母が私にしてくれたことを考えると責められないことだと思いました。...