私の名前を仮にY氏として、個としての自分、つまり本来のY氏としては10代の頃に死んだのでしょう。
あの頃は精神状態がボロボロだったのにも関わらず、そこにトドメを差すような出来事がありましたからね。精神面もとい、内面が壊れた。その時でしょうね、元々の私が死んだのは。
えぇ、私もつい最近自覚しました。その事実に。元の私と今の私の記憶が混同してて、今まで気が付きませんでした。
今の私が自覚した事は、皮(ガワ)として外見から見た私は、昔通りの私のまま成長して今に至りますが、今の私は「元の私に限りなく似せている私」なんですよ。
分かりづらいですか?そうですね、ルパン三世ってあるじゃないですか。アニメの。
初代は山田康雄氏で、二代目が栗田貫一氏。中の人は変わってもキャラとしては基本的に外見変わらないですよね。
それと同じ理屈です。もっと砕いて言えば、生きた脱げない着ぐるみですよ。脱げないのに中の人が変わる、不思議な事もあるんですね。
そんな話あるんですよ、嘘みたいな話ですけどね。
私はいいんですよ、あぁ今の私という意味ですよ。ただ、元の私の親に対して可哀想な気持ちになってきますね。
だって、皮としてはそこに生きているのに、貴方が愛した子の「元々の個」はとっくの昔に死んでいるんですもの。
通りで私が親と会話してても他人に感じるので不思議に思ってましたが、今回の自覚でハッキリしました。だって今の私が他人なんですもの。そりゃ他人ですよ、実質。
しかし、そうは言ってもその親と生きて行かないといけないという問題もあるので複雑な気持ちですね。
えっ、親離れしないのかって?そりゃしたいですよ、今の私としては。ただ、元の私としての記憶もある以上、親との記憶も深いもので。切れても切れないんですねコレが。
別に私はサイコパスではありませんからね、感情はある程度はありますよ。冷たいと言われることはあれど。
今の私からしてみれば他人とは言っても、皮としてはこれだけ縁深い体である以上、折り合いつけて一緒に生きていくしか無いですね。
どうせ演じるなら、元の私とは違う別人を演じればいいのに?それは私もそう思います。ですが、残念ながらこの体は虚弱なもので。元の私を演じているのが一番落ち着くんですよね。肉体的にも精神的にも。
秀一兄さん