私の旦那は北海道の今では限界集落指定されているド田舎出身だ。
旦那のご両親へ挨拶するとき空港から自動車で4時間かかり、最後の15分くらいはコンクリート道路ですらなく「私はどこに連れて行かれるのだろうか?」と不安になった思い出がある。
逆に旦那は本州(旦那の言う内地)へ出てきたときに驚いたのは「内地はどんな山奥でも木が真っ直ぐなってるの見てなんまら驚いたっしょ」と言っている。
本州出身だと気付きにくいけど、本当のド田舎の森や山はまったく人の手が入ってない原生林で、真っ直ぐ生えていることはないのだ。林業の人たちってスゴイ。
そして先日、旦那が言うのだ「内地の小学生は仲良いべな。毎日みんなで登下校してんべ」と。
私はアレ?っと思って「旦那クン、集団登下校って知ってる?」と聞くと「知らん……いや道新(北海道新聞)で10年くらい前にチラッと読んだような……あっ!」という怪しい認識だった。
「旦那クン、お察しの通りアレは集団登下校であって仲が良いから一緒に登下校してるわけじゃないんだよ。集合場所があって時間までにみんなで集まって登下校すんの」と説明した。
すると旦那は「何で内地はそんなおっかないことしてんだべか?」と純粋な疑問を持った表情で私に言った。
私は「危ないことないよ。むしろ上級生の子が車通り多い道を教えたりして安全に登下校させるためにするんだよ」と教えた。
「たぶん田舎では近所の兄ちゃんさ教えてもらえる山の歩き方みたいなもんだと思うけんど、それと子っこが固まるのは別だと思うっしょ」と旦那はいう。
ちょっと納得いかなくて「えっどういうこと?」と聞くと、旦那はすぐ「子っこが固まってたらクマの良いエサっしょや」と笑って返してきた。
旦那の言葉にビックリしていると続けて「子っこは大人の集団の中に居るから守られているべさ。子っこで集団作っても的が大きくなるだけっしょ。だからおっかないなぁと」という。
私はハッと気付いて「本州にはヒグマなんて居ないからね?居てもツキノワグマ。それも私見たことないし」と言うと、旦那は「内地には変態さ居るんだべ?アレは獣と変わらんべさ」と返してきた。
旦那は思い出を「俺のガキの頃は近くで熊出たなんてなったら鉄砲撃ちの爺ちゃん父ちゃんたち総出で熊追いしたもんだべな。いやぁなんまら美味かったぁ……」と語った。
「いや!熊食べてるし!!」
確かに集団登下校は普段は安全なんだけど、頭のおかしい変質者に対しては良い標的すぎる。