この件について貴乃花親方を批判するとネットで集中攻撃を受けることになり、まともな人がまともな批判もできない状態になってしまっている。
貴乃花親方を盲目的に擁護する人たちがまず理解すべきなのは、一連の騒動では2種類の問題があるということだ。
一つに、日馬富士が酒の席で説教中の貴ノ岩を殴って怪我をさせ休場させてしまった事件だ。この件は刑事事件としてはまだ捜査中だが、先日日馬富士が責任を取って引退したことでひとまずの決着となった。一人の関取を殴って怪我を負わせ休場させてしまったのだから横綱として引退は当然の結果だ。あとは刑事で結論がついたときに当事者どうしで弁護士通して和解の道を探ればいい。
もう一つの問題が、相撲協会の理事であり巡業部長の役職についている貴乃花親方が、暴行事件が起きそれを警察に届け出たことを相撲協会に報告しなかったことで、さらに報道によれば相撲協会に嘘を伝えていたということだ。これが単純な暴行事件を複雑にさせ、当事者以外の多くの外野を巻き込む騒動に発展する要因となっている。
貴乃花親方が巡業部長として把握した暴行事件を隠蔽せずに警察に届け出るのは正しい。ネットの住民の多くはそのことを支持している。しかし、警察に届け出たことを協会に報告しないのは異常である。ネットで脊髄反射で返ってくる「協会に報告したら隠蔽される」は、警察に先に届け出ている以上当てはまらない。しかも貴乃花親方巡業部長は、相撲協会が貴ノ岩の怪我について尋ねた時にその時点で警察に暴行事件として被害届を出していたにも関わらず「階段から落ちた」と暴行事件のことを隠蔽しており、その後警察から連絡を受けた相撲協会が改めて尋ねた時には「誰かに押されて落ちたのかと思ってた」と開き直っている。
これは相撲協会の役員としての仕事をせず責任を放棄している行為で、日馬富士暴行事件とは別に問題として追及されるべきことである。