遠出した先の私鉄の駅で便意をもよおした。
乗るべき特急の時刻が迫っていたので同行者の手前もあり不本意ながら我慢するしかないかとあきらめかけたところで事故による遅延を知らせるアナウンス。
チャンスとばかりにトイレに駆け込む。
ほどよくチャージされたブツは一気に放出され、洋式便器のくぼみを埋め尽くした。それは30年ぶり(2度目)の巻きグソになっていた。
日常的な飲酒のおかげでやや緩めなことが多くなっていたのでこの年になってまた再び巻きグソを拝めるとは思わなかった。
素直にうれしかった。この感動を誰かと分け合いたくて写真を撮ろうかと思ったが実名でやっているFBにも匿名のTwitterにもアップするわけには行かないだろうと思い直して水を流した。
翌日、職場についてすぐに再び強い便意。
くだらない朝のミーティングの間はただ黙って耐える。ミーティングがあと2分長引いたら途中退出してトイレに向かっていたと思うがなんとか我慢した。
これは無理をしてはいけないヤツだ。
慎重に、ゆっくりと、自分自身を内側から調教するように徐々に力を込めていく。
そのうちそれは勢い良く飛び出した。まっすぐ伸びた巨大なうんこ。
28年前を思い出す。自宅のトイレを詰まらせた巨大なうんこを。
子供だった私には手に負えず恥を偲んで母親に事態の収拾を依頼するしかなかったあの出来事を。
二日続けてこんなことが起きるなんて何かあるのだろうか。
しばらく考えてみたのだが「ウンがついてる」というベタなダジャレだかゲン担ぎしか思いつかなかったので仕事帰りにロト6を1000円分と年末ジャンボを10枚買った。
ロト6は外れたが年末ジャンボは当るかもしれない。発表までワクワクして待つとしよう。
このワクワク(というかレアうんこ)は年末の職場の殺伐とした空気に疲れた私への少し早いクリスマスプレゼントだったということにしようと思う。