2016-07-06

祖父競馬と私

祖父が亡くなってから今年で3年が経った。

晩年祖父病院で寝たきりだったが、元気だった頃(亡くなる時から4〜5年ぐらい前か)は、専ら競馬駅伝TV観戦が趣味だった。

特に競馬が好きで、自分物心ついた頃から祖父の机には競馬マークシートが積み上げてあり、1日競馬新聞を見てボールペン新聞に書き込んだり、マークしていた。それを見ながら小さい自分白紙マークシートに絵を描いて遊んだり、マネして適当マークしてみたり、よくわからない競馬を一緒に見ていた。

そしてしばらくすると祖父は「散歩に行く」とだけ言って出かけて、近くの場外馬券売り場で馬券を買って帰ってくるのだった。

祖父が買う馬券子供自分は見てもいつもよくわからなかった。

単勝だとかワイドだとかボックスだとかながしだとか書いてあったが、いつもだいたい右下に「100円」としか書いていなかった。(もしかしたら最低額が300円の馬券とかあるかもしれないが、とりあえず最低額しか買っていなかった)

祖父は今でも謎が多い。シベリア抑留の数少ない生き残りだとか、東海の生まれだとか、色々言われているが、最期まで真相を語らなかった。

祖母にも聞こうと思ったが、祖父が亡くなった直後に老人ホームにてかろうじて「静岡出身」ということを聞き出しただけだった。(その後祖母もぼけていき、亡くなったし、親に聞くのもなんか恥ずかしいので今もわからない)

まあそのへんは知りたいが、ここでは重要ではない。

この間、初めて馬券を買った。単に最近友達がやっているので、自分もやってみようと独学で基礎を調べた。

そして即PAT楽天競馬ではなく、実物の馬券を買ってやりたいと思い、いざ意気揚々と近くの場外馬券売り場に行き、スマホで馬柱を見ながら予想して、マークシートを取って記入した。

場外馬券売り場は老人というか、言い方は悪いが掃き溜めのような感じで正直怖かった。

スリに遭いそうだ、刺されそうだと、壁に背中を向けてマークシートを書いて、とりあえず手近なレースを予想して馬券を買った。

馬券を手にとって、あとはレースの展開を見守るだけ、と思ったその時気がついた。

自分祖父と同じ道を無意識に歩んでいたのだった。

自分祖父の影が重なったのがわかったのだった。

祖父散歩馬券を買う場所と同じ場所大人になった自分は今、馬券を買っている。同じ場所の場外馬券売り場で、同じように。

祖父と違って読むもの競馬新聞ではなくスマホだし、予想の仕方は祖父と違って手探り。レースの経過は自宅のテレビではなく帰宅途中に見るネットストリーミングだが、決して欲張らず、どんなに自信があっても最低額しか賭けていない。

自宅で、結果の出たレーススマホ確認した後、決して大きくない1枚だけの「単勝」と書いてある小さな当たり馬券を見て、祖父との思い出を振り返っていた。

おじいちゃんっ子でよかったなとか、祖父自分に小さい頃からよく言い聞かせていた

「真面目にコツコツやっていれば結果はついてくるんだ」とかを思い出して、祖父のような生き方を心がけよう、と思った。

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