テレビがつまらなくなった理由を考えていたらふとプロレスの衰退を思い出した。
でも、同時にお金の臭いを嗅ぎつけた大人が介入することで、すぐにお金を稼ぐことが目的に変わってしまう。
どれだけマニアックな業界であっても、その段階になると必ずにわかファンが湧き出てきて、運営側も少数で口うるさいマニアックなファンよりも大多数で何も言わないにわかファンを相手に商売をし始めてしまう。
そうなれば、わかりやすく派手であることが求められ、結果として演出に走ってしまうことになるのだ。
真剣勝負がいつも面白いとは限らないし、マニアックな勝負はにわかファンにはわからない次元で繰り広げられてしまうものだ。
しかし、どんなジャンルであっても演出が必要になった時点ですでに緩やかな死が始まっていたのだ。
本来であれば、リアルだからこそつまらない試合もあるということを正しく啓蒙すべきだ。
派手じゃなくても、上級者同士の戦いがなぜ面白いのかをもっと深く掘り下げるべきだ
ところが、どんなジャンルであっても、その時の興行を大きくすることばかりが優先されて誰もが何も考えずに楽しめる方向に舵が切られてしまう。
その先に待っているものは衰退しかないのに、なぜテレビは演出を手放せないのだろう。
台本通りに演じることばかりを考えて、真剣勝負を忘れてしまったプロレスを見させられているかのようだ。
しかし、そこまで考えてこれが何もテレビやプロレスのことばかりではないということに気付いた。
結局はジャンルをダメにするのは、運営側に潜む拝金主義とジャンルを食いつぶしに来るわがままなにわかファンたちなのだ。
もしジャンルを大切にしたいと思うなら、どれだけ世の中から注目されようとも、どれだけ大きな金額が目の前をちらつこうとも、興行の規模を適正に維持することだ。